CFD(数値計算流体力学)による連棟数や換気窓の形態が温室の風力換気に及ぼす影響

タイトル CFD(数値計算流体力学)による連棟数や換気窓の形態が温室の風力換気に及ぼす影響
担当機関 (独)農業工学研究所
研究期間 2004~2005
研究担当者 Murat Kacira
佐瀬勘紀
奥島里美
石井雅久
小錦寿志
森山英樹
池口厚男
発行年度 2004
要約 CFDの手法により、フィルム巻き取り式の側窓を開放すると、連棟数の増加に伴って温室換気率は指数関数的に減少する。草丈の高い作物群落によって換気が抑制され、作物群落換気率は、跳ね上げ式天窓と巻き取り式の側窓を開放した場合に最も高い。
キーワード
CFD、温室換気率、作物群落換気率
背景・ねらい 自然換気への注目が世界的に高まり、温室構造の改良や換気窓の大型化が検討されている。一方、多連棟・高軒高の大型温室が増加の傾向にある。しかし、大型温室で側窓を設置すべきかどうかなど、自然換気性状との関係は未解明の部分が少なくない。また、トマトのように草丈の高い作物群落は温室内の気流性状に影響を及ぼすが、従来の換気に関する研究では作物の存在が考慮されてなく、作物群落の微気象を改善するための換気窓形態の最適化も不明である。そこで、CFDの手法を用い、丸屋根型の多連棟ハウスについて、連棟数が増加したり、側窓を開放するかどうかで、風力換気にどのような影響を及ぼすか検討した。また、トマト群落の風洞実験データを解析し、抵抗計数を算定した。これをモデル化してCFDに組み込み、2連棟切妻型温室の換気窓形態の最適化を作物群落換気率(作物群落が占有する空間に対する空気交換率)の点から検討した。
成果の内容・特徴
  1. 温室換気率(温室全空間に対する空気交換率)は、フィルムの巻き取り式による側窓の開放によって高まるが、連棟数が増加すると指数関数的に減少する(図1)。一方、側窓を開放せずに天窓のみ開放した場合、換気回数は小さいものの、連棟数が増加しても換気回数はほとんど減少しない。
  2. 2連棟温室において側壁が開放された場合、作物群落がないと気流は床面付近を流れるが、作物群落があると気流が群落の抵抗によって上方に向かい、換気量は減少する(図2)。
  3. 温室換気率は、跳ね上げ式天窓と巻き取り式側窓を開放した場合に最大となるが、跳ね上げ式天窓の風上のみを閉じると、作物群落換気率がむしろ高まる(図3)。これは、流入した外気が作物群落に到達せずに流出することがあるためであり、換気窓の開放の仕方や形状を最適化することにより作物群落の通風性を高めることができる。
成果の活用面・留意点 温室の換気設定・制御に活用できるが、屋外低風速域では温度差換気が卓越するため、温度差換気に配慮する必要がある。CFDは何らかの検証が必要であるが、本研究で用いたCFDアルゴリズムは風洞実験や実物温室での観測のデータに基づいて検証してある。
図表1 228018-1.gif
図表2 228018-2.gif
図表3 228018-3.gif
カテゴリ トマト

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