| タイトル |
谷津田域でみられた水路内のドジョウ個体数の季節変動パターン |
| 担当機関 |
(独)農業工学研究所 |
| 研究期間 |
2002~2006 |
| 研究担当者 |
小出水規行
奥島修二
竹村武士
山本勝利
相賀啓尚
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| 発行年度 |
2004 |
| 要約 |
谷津田域の水路におけるドジョウ個体数の季節変動調査の結果、滑らかな季節変動パターンの他に、非灌漑~灌漑初期(11月~翌年5月)の個体数が大幅に減少する矩形型の季節変動パターンが見られる。
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| キーワード |
谷津田域、水路、ドジョウ個体数、季節変動パターン、非灌漑~灌漑初期、矩形型
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| 背景・ねらい |
生物生息環境が劣化し、生態系への配慮が強く求められている現在、谷津田域は保全すべき生物の貴重な生息空間となっている。魚類生息場としての谷津田域の水路環境を解明するため、水路タイプの異なる二種類の水路を対象に、優占種となったドジョウ個体数の季節変動パターンを明らかにする。
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| 成果の内容・特徴 |
- 調査は、千葉県下田川流域の土水路A、Bとコンクリート製水路A、Bにおいて、各水路7~10の調査定点(各5m区間)で、2002年7月~2004年6月の各月1回、個体の全量を採捕するよう電気ショッカーとタモ網を用いて行った(図1)。本調査の結果、各水路ともに年間を通して水涸れはなく、土水路Aで計2,304個体、同Bで計1,756個体、コンクリート製水路Aで計1,775個体、同Bで計768個体が出現した。
- 土水路A、Bにおける一定点あたりの個体数密度は各月間で異なるが(図2-Ⅰ)、灌漑期間の6月~9月を中心に高く、非灌漑期~灌漑初期(10月または11月~翌年5月)にかけては低くなる傾向を示す。個体数密度の季節的変動は滑らかなトレンドを示した(同図の赤破線)。
- これに対して、コンクリート製水路A、Bにおける個体数密度も灌漑期に高くなるが、非灌漑期になると急激に減少し、その後は灌漑初期まで低水準を維持する(図2-Ⅱ)。個体数密度の季節変動は土水路のものとは異なり、矩形型のトレンドを示した(同図の赤破線)。
- コンクリート製水路における急激な個体数密度の減少は、成長段階別に振り分けた個体数密度の変化から、主として未成魚と稚魚で顕著であることが確認される。
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| 成果の活用面・留意点 |
水路によってドジョウ個体数の季節変動パターンが異なることから、魚類の生息状況調査においては時期等を十分に考慮する必要がある。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| カテゴリ |
季節変動
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