西アフリカのサヘルにおける農業生産と旱魃保険の可能性

タイトル 西アフリカのサヘルにおける農業生産と旱魃保険の可能性
担当機関 農業総合研究所
研究期間 1996~1998
研究担当者
発行年度 1996
要約 西アフリカのサヘル地域の農業は旱魃の危険にさらされている。農民は様々な方法で収穫の変動に起因する消費の変動を軽減するよう努力しているが、それでもなお旱魃保険が利用可能であれば購入する動機があることが示された。
背景・ねらい 金融市場の発達していない発展途上国の農村における農家は、保険のようなフォーマルな
制度の代わりに多くのインフォーマルな自己保険的手段を用いている。しかし、インフォ
ーマルな手段には以下の2点の問題がある。まず、旱魃のように広汎な地域が同時に被害
を受ける場合、ローカルな経済条件に依存するインフォーマルな自己保険的手段の有効性
は低い。次に、インフォーマルな手段はフォーマルな制度と比べてコスト高の可能性があ
る。例えば家畜の予備的所有は、過放牧の原因となり草地資源の劣化を招く。
以上の問題を解決するために、本研究はフォーマルな旱魃保険の導入を検討した。まず、
モラルハザードの問題が少ない旱魃保険制度をデザインし、インフォーマルな自己保険的
手段の存在下で、そのようなフォーマルな旱魃保険を農家が需要するかどうかを計測する
手法を開発した。次に、西アフリカの旱魃地帯にある内陸国ブルキナ・ファソの農家調査
データにその手法を適用し、実際に旱魃保険への需要を計測した。
成果の内容・特徴
  1. 地域ごとの保険需要の計測(表1)から以下の2点が判
    明した。(1)旱魃の危険が異なる Guinean、Sudanian、Sahelian3つの地域のいずれ
    においても、旱魃保険への有効需要が存在する。(2)保険需要の大きさは旱魃の危険度
    の大小に一致する。
  2. 農家レベルでの決定因子の分析(表2)から、農業外収
    入、家畜保有額、公的食料援助の期待額、私的贈物の期待額は、保険需要を有意に減退さ
    せることが判明した。
  3. 政策的には次の2点が重要である。(1)旱魃保険が予備的な家畜保有を一部代替し、過
    剰放牧問題の解決に役立つ可能性がある。(2)公的食料援助は、旱魃保険の需要を減退
    させるという意味で、モラルハザードを引き起こしている可能性がある。
成果の活用面・留意点 取引費用の低い旱魃保険をデザインしたが、この保険の現地実現性については、現地での
取引費用の実態に即して保険設計を行う必要がある。
図表1 228395-1.gif
図表2 228395-2.gif
カテゴリ コスト

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる