農協の地域社会開発事業と地域運営

タイトル 農協の地域社会開発事業と地域運営
担当機関 農業総合研究所
研究期間 1994~1996
研究担当者
発行年度 1997
要約 農協の事業のひとつである地域社会開発事業は,新しい事業として全国各地で行われている。それらは大きく土地開発,地域活性化,農業的土地利用調整,福祉事業に類型化され,新しい地域社会の形成に向けた地域運営に向かう萌芽として見る ことができる。
背景・ねらい 戦後,わが国の農村は大きく変化した。その中で,農協経営は,従来のような農村構造
を土台にできないというだけでなく,金融自由化をはじめとする経済構造の変化に対応し
きれず,経営の合理化を適切に行っていないという問題を抱え,危機的な状況にある。本
研究では,地域社会開発事業を,そうした農協の現状を打開するために一歩踏み出した新
しい試みとして捉え,先進地での事例調査を通して,農協のこれからの方向付けを行った。
成果の内容・特徴
  1. 先進的な農協が取り組んでいる地域社会開発事業には表1に示すようなものがあり,(A)土地開発,(B)地域活性化,(C)農業的土地利用調整,(D)福
    祉事業の4つに大別することができる。これらの事業には,現在のところ,ごく少数の農
    協しか取り組んでいない(表2)。
  2. 地域社会開発事業は,農協が従来行ってきた生活資材,農業資材の購買事業,農産物の
    販売事業とは性格を異にする。具体的には,非農家の人々を含む新しい人間関係を結ぶこ
    とが必要となっていることから,収益事業としてではなく地域に不可欠のサービスを提供
    すること,長期的な視野で事業の展開を考えなければいけないこと,事業利益を長期で獲
    得せざるを得ないことが要求されている。
  3. 地域社会開発事業は,農業の担い手不足,高齢化の問題を抱える地域社会にあって,新
    しい地域社会の形成に向けた農協の地域運営という視点から評価することができると同時
    に,農協再生のための有効な手段になりうると評価することができる。
成果の活用面・留意点 本研究は,地域社会開発事業に取り組む先進的な農協を事例としてとりあげたものであ
り,農協の今後の方向を明らかにするためには全国的な調査を行う必要がある。
図表1 228411-1.gif
図表2 228411-2.gif
カテゴリ 経営管理 シカ

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