タイトル |
夏秋どりホウレンソウの分割セルトレイ直置き栽培 |
担当機関 |
愛媛県農業試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
越智英直
今西吉胤
中地敏文
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発行年度 |
2000 |
要約 |
ホウレンソウを、列状に分割したセルトレイで育苗した後、セルトレイごと 本圃に直置きし、栽培すると、夏秋どりでも欠株率は少なく、正常に生育し、高い可販株率が得られ、しかも束どり収穫ができる。
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背景・ねらい |
夏秋どりのホウレンソウ直置き栽培は、発芽不良や立枯病が問題となり、生産が不安定となる。その対策として、一部で移植栽培が行われているが、多くの労力を要し、生育も直播き栽培より劣る。 そこで、分割セルトレイ育苗を利用し、圃場での栽培期間を極力短縮した、直置き栽培について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 市販の72穴セルトレイは、裏側にカッターで切り目を入れると簡単に切り離せ、12分割すると1本6穴の分割セルトレイとなる。分割セルトレイは元のように合わせて播種、育苗すると通常のセルトレイ同様の播種作業、集中的な育苗管理が行える。
- 分割セルトレイで育苗した苗を、セルトレイのまま本圃に直置きし栽培すると、欠株率も低く(表1)、セル底より根が出て、正常に生育する(図1)。
- セルトレイは分割し広げて直置きすると分割せずに直置きするより生育がよく、しかも、慣行栽培より可販株率・品質が優れる(表1)。分割したセルトレイは、本圃に2列に並べ条間20cmに広げて直置きすると、慣行と同じ栽植密度になり、また、中央に灌水設備も配管できる。
- セルトレイを本圃へ直置きする場合は、埋没させない方が可販株率が高い(表2)。
- 培地に40日タイプの緩効性肥料を添加すると、本圃無肥料で栽培できる。培地1リットル当たりの窒素量は1000㎎が適し、慣行栽培より可販株率・品質が優れる(表2)。
- 収穫は、セルトレイごと抜き取る束どりができ、そのまま調整もできる。
- 収穫終了後は残査がほとんど残らないため、うねの表面を軽くレーキで均すだけで、次作に使用できる。
- うね立て後、3作連続で分割セルトレイ直置き栽培を行っても、慣行栽培より可販株率・品質が優れる(表3)。また、育苗により在圃期間が約2週間短縮し、作付け回数が増やせる。
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成果の活用面・留意点 |
- この技術は標高500m程度の中山間地で検討したものである。
- 使用するセルトレイは、底面が平らで広いものが育苗・移動・定植時に安定がよい。
- 収穫は、分割セルトレイごと束どりするため、発芽・生育を揃える必要がある。
- 培地は軽いものが適し、今回は15リットル当たり5㎏の市販培地を使用した。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
育苗
栽培技術
立枯病
中山間地域
播種
発芽不良
ほうれんそう
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