扉付流れ藻捕捉装置の開発

タイトル 扉付流れ藻捕捉装置の開発
担当機関 水産庁水産工学研究所
研究期間
研究担当者
発行年度 1994
要約 海藻群落から流失する藻体を漁場内に長期間滞留させ、アワビ、ウニの餌として有効に利用するための施設(藻留め工)の開発を進めている。その成果として、弱い波動の下でも接近してくる流れ藻を効率よく捕捉し、一度装置内に流れ藻を捕捉すると、乱れの発生する激浪時でも流出させない理想的な藻留め工として「扉付流れ藻捕捉装置」を開発した。
背景・ねらい 従来より、当所では海藻群落から流失する藻体を漁場内に長期間滞留させ、アワビ、ウニの餌料として有効に利用するための施設(藻留め工)の開発に取り組んできた。平成2年度に梯形藻留め装置を開発した。本装置は従来の施設に比較してかなり高い流れ藻捕捉効果があることを現場実験により明らかにした。
しかし、この梯形藻留め装置は、砕波帯より沖側の平坦な海底に設置しなければ効果が低い。また、そのような場に設置しても、波動がある程度以上に激しくなると、捕捉された流れ藻を滞留させ続けることが出来なくなることや、逆に波動が20cm/s程度以下では流れ藻は装置内に捕捉されないという問題があることが分かってきた。
そのため、弱い波動の下でも接近してくる流れ藻を効率よく捕捉し、一度装置内にこれを捕捉すると、乱れの発生する激浪時でも流出させない理想的な藻留め工の開発を目指した。
成果の内容・特徴 扉付流れ藻捕捉装置とは、一側面が扉となっている箱型の格子状構造物である。扉は上端に取付けられた蝶番を軸として振れ、扉の下方には遮蔽板を設け、また扉を緩やかに止めて外側に開かないようにするためにストッパを取付けている。
次の3つのパターンで流れ藻が捕捉される。
  1. 扉の前方から流れに伴って接近してきた流れ藻が、扉が開いた時に流れと共に装置の中へ捕捉されるパターンで、波動が比較的大きく、扉の開閉が流れによく追従する場合に見られる。
  2. 波動が弱く、扉の開閉が慣性のため、流れに完全に追従しない場合によく見られるパターンで、この場合、流れの向きが扉の外から内へ変化し始めたときに扉がすぐに開かないために、扉の前面には流れのよどみ域(剥離域)が形成される。扉の前方から接近してきた流れ藻は、このよどみ域に沿って扉の側方へ流される。しかし、流れの向きが反転して扉の内から外へ変化すると、扉は振り下がってストッパで静止させられる。遮蔽板の前面にあった水塊はそのまま流れ去ろうとして負圧の領域を生じ、この負圧の領域に引き込まれるように側方から扉の前面へ向かう流れが発生する。側方へ運ばれた流れ藻は、この流れによって扉の直前へ引き寄せられて、次に流れの向きが変わったときに装置の中へ取り込まれる。
  3. 第3のパターンは、第2のパターンで述べた扉の側方から扉の前面へ向かう流れによって、扉の斜め前方から接近してきた流れ藻が、扉の側方に徐々に引き寄せられて、装置に捕捉される場合である。実験例では、本装置は流れ藻の通過範囲が、扉の幅の約3倍以内であれば捕捉できることが確認されている。
このようにして、本装置は扉の近くを移動する流れ藻を効率よく捕捉し、しかも一旦捕捉すると、流れ藻を格子の目合等からすり抜けない限り、滞留させる装置であることを確認した。
成果の活用面・留意点 本装置には高い流れ藻捕捉効果が期待できるため、以下の活用方法が考えられる。
  1. 増殖場造成施設
  2. アワビ、ウニの養殖施設
  3. アワビ、ウニの養殖施設の餌料の確保
  4. 流れ藻の通過量調査 (図1、現場実験の例)
図表1 228943-1.gif
図表2 228943-2.gif
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