海産魚の慢性毒性試験

タイトル 海産魚の慢性毒性試験
担当機関 中央水産研究所
研究期間 1992~1996
研究担当者 角埜彰
黒島良介
山田久
小山次朗
清水昭男
発行年度 1996
要約 代表的海産魚であるマダイに対する汚染物質の慢性毒性値を、米国産メダカ科のマミチョグの急性・慢性比及びマダイの急性毒性値から推定した。さらにこの推定値を、マダイの呼吸、血液等の生理・生化学的項目への影響試験で検証した。
背景・ねらい 近年、重要性の増している沿岸漁場では、今なお微小濃度の汚染物質の海産生物への慢性影響が懸念されており、海域環境及び生態系の保全のために、汚染物質の慢性影響評価手法の開発が急務とされている。孵化仔魚期の歩止まりのよい魚種を用いて比較的短期間で魚類に対する慢性影響評価を推定できる初期生活段階毒性試験法が淡水魚によって開発されているものの、我が国沿岸に生息する海産魚の中で感受性の高い孵化仔魚期を、歩止まり良く飼育できる魚種がない。このため本研究では、当研究所で数世代にわたって飼育されている広塩性の魚類で、仔魚期の飼育が容易な海水飼育マミチョグ(米国産広塩性魚)による初期生活段階毒性試験法を開発し、各種汚染物質の急性毒性値(Am)・慢性毒性値(Cm)の比を求めた。この比は汚染物質依存性が高く、魚種による差異は僅少とされているため、Am/Cm=Ar/Crが成り立つ。この比及びマダイの急性毒性値(Ar)によるマダイ慢性毒性値(Cr)推定の可能性を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 汚染物質に対するマミチョグ初期生活段階毒性試験では、成長に対する影響濃度が最も低い値であり、これを慢性毒性値とした。一方、これとは別に魚類の成熟・再生産に対する汚染物質の影響を評価するため、成熟・再生産影響試験を行った結果、孵化率に対する影響濃度が最も低い値であり、孵化率が最もよい指標と考えられた。
  2. 汚染物質に比較的長期間曝露したマダイ稚魚の酸素消費量、血液性状及び消化酵素活性に対する影響濃度を求めた結果、酸素消費量に対する影響濃度が最も低い値であり、これをマダイに対する慢性影響値とした。
  3. 汚染物質のマミチョグに対する急性・慢性比及びマダイに対する急性毒性値からマダイ慢性毒性値を推定し、これを酸素消費量影響濃度、血液性状影響濃度等と比較した結果、両者に直線的関係が認められ、上述の推定法が妥当であることが示された。
図表1 229020-1.gif
図表2 229020-2.gif
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