水産物中のn-3系不飽和脂肪酸の免疫系に対する生理機能

タイトル 水産物中のn-3系不飽和脂肪酸の免疫系に対する生理機能
担当機関 (独)水産総合研究センター 中央水産研究所
研究期間 2000~2004
研究担当者 石原賢司
丹羽一樹
齋藤洋昭小松渡(戸板女子短大)
発行年度 2001
要約 水産物に含まれるn-3系不飽和脂肪酸のうち、テトラコサヘキサエン酸(24:6n-3)、ステアリドン酸(18:4n-3)、ヘキサデカテトラエン酸(16:4n-3)について、培養細胞系で生理活性を調べたところ、いずれも抗炎症・抗アレルギー活性が見いだされた。これらのうちステアリドン酸について水産物からの精製法を確立した。精製したステアリドン酸を添加した食餌を用いて動物実験したところ、マウスにおいてEPAと同等の抗炎症能を持つことが分かった。
背景・ねらい 水産物にはEPAやDHAと言ったn-3系不飽和脂肪酸が多く含まれている。EPAやDHAは抗アレルギー、抗炎症、抗ガンと言った様々な生理機能を持つことは広く知られており、広範な研究が行われ、実用化がすすめられている。魚介藻類中には、EPAやDHA以外のn-3系不飽和脂肪酸が含まれているが、これらについては生理機能等に関する研究がほとんどなされていない。テトラコサヘキサエン酸(24:6n-3)、ステアリドン酸(18:4n-3)、ヘキサデカテトラエン酸(16:4n-3)は、魚類、食用海藻、クモヒトデ等に含まれるn-3系不飽和脂肪酸である。本研究ではこれらの脂肪酸の、免疫系に対する生理機能について、in vitro、in vivoで検討した。
成果の内容・特徴
  1. 培養細胞を用いたin vitro系でテトラコサヘキサエン酸、ステアリドン酸、ヘキサデカテトラエン酸はいずれも、炎症やアレルギー反応を引き起こすロイコトリエン類の産生を抑制することが明らかになった(図1、2)。
  2. 3種の脂肪酸のうち、ステアリドン酸は魚介藻類いずれにも含まれ、in vitroの系でも比較的生理活性が高いことから、これについてさらに検討するために、ステアリドン酸を精製する方法を確立した。海藻の脂質から、リパーゼ反応と中圧液体クロマトグラフィーを併用することにより純度95%以上のステアリドン酸を精製できた。
  3. ステアリドン酸を10%含む油脂を合成し、これをマウスに投与したところ、食餌ステアリドン酸はマウスの免疫細胞における炎症メディエータの一種プロスタグランジンの合成を抑制した(図3)。ステアリドン酸の活性の強さはEPAに匹敵するものであった。
[成果の活用面]
成果の活用面・留意点 [成果の活用面]
  1. テトラコサヘキサエン酸などの、従来評価されていなかったn-3系不飽和脂肪酸も生理機能を有することが明らかになったことで、水産物脂質の機能成分に関する新たな情報が付け加えられた。
  2. 動物実験により、ステアリドン酸はin vivoでEPAに匹敵する生理機能を持つことが示された。このことにより、ステアリドン酸を含む水産物がEPAを含むものに匹敵する機能性を持つことを期待できることが明らかになった。
図表1 229226-1.gif
図表2 229226-2.gif
図表3 229226-3.gif
カテゴリ 機能性

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