米代川支流阿仁川から放流されたサクラマスの回遊生態

タイトル 米代川支流阿仁川から放流されたサクラマスの回遊生態
担当機関 秋田県水産振興センター
研究期間 2005~2005
研究担当者 秋田県水産振興センター 内水面利用部 佐藤正人
発行年度 2005
背景・ねらい 放流魚の回遊経路、成長、漁獲実態などを把握することにより、効率的かつ安定的にサクラマス資源を増大させる手法開発のための基礎資料とする。
成果の内容・特徴
  • 1994~2001年級群放流幼魚310,979尾(遡上親魚由来第1~3代目幼魚)の背鰭基底部にリボンタグ標識を装着し、秋田県北部の阿仁川本・支流(日本海から68~92km)に放流した結果、県内外沿岸及び河川から456尾の再捕報告があった。
  • 再捕は、北上回遊群(降下~7月)は全て定置網、南下回遊群(8月~母川回帰)は定置網、刺網、釣り主体となり、沖合底曳網の1例を除く全てが沿岸となった。
  • 放流魚は、降海年翌年には殆どが1kg以上に成長するほか、海域での生活日数の経過とともに個体間の体重差が大きくなる傾向が認められた(図1)。
  • 回帰親魚は29尾再捕され、雌雄比は雄8%、雌92%で、天然魚同様、雌に大きく偏る傾向が認められた。
  • 1+春スモルト放流魚は放流時のサイズが大きくなる程、再捕率が高くなる傾向が認められた(図2)。
  • 再捕結果及び待鳥・加藤(1985)から、3月下旬~5月中旬に阿仁川を降下した幼魚は男鹿半島周辺で5月下旬まで滞留後、日本海を北上する。その後、多くは6月上~下旬に津軽海峡を通過し、北海道太平洋を東行する経路で移動し、オホーツク海で越夏する。8月には南下を始め、北海道太平洋沿岸西部、津軽海峡東部、青森県太平洋、新潟県沖の日本海で越冬し、翌年4~5月には秋田県沿岸へ向け日本海を南下・北上し、6月には殆どが産卵のため、母川である阿仁川へ回帰すると考えられた(図3・4)。
  • 越冬場については暖流と寒流の混合域にあたるほか、放流魚の移動についても水温の変動に従い北日本周辺海域を北上・南下する傾向が認められたことから、越冬場の形成、移動にあたっては海流や水温形成と密接に関連すると考えられた。
  • 母川以外への遡上については、山形県赤川、温海川、新潟県大川及び三面川で各1尾確認されたことから、一部の個体が他河川に迷入し、そこで産卵するものと考えられた。
成果の活用面・留意点 本種の増殖及び資源管理のための基礎資料とする。
図表1 229779-1.gif
図表2 229779-2.gif
図表3 229779-3.gif
図表4 229779-4.gif
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