養殖マガキの大量斃死と水温、降水量との関係

タイトル 養殖マガキの大量斃死と水温、降水量との関係
担当機関 広島県立水産海洋技術センター
研究期間 2001~2003
研究担当者 赤繁 悟
平田 靖
高辻英之
相田 聡
発行年度 2006
要約 本県のマガキ養殖では、1979、1994、2001、2002年には斃死率が4~5割以上に達した。2001年を除く大量斃死発生年は、水温20℃以上の超過日数が平年より多く、7~10月の4ケ月間降水量は平年より少なく、高水温かつ少雨傾向の年であった。本県産種苗による養殖では高水温かつ少雨傾向の年に大量斃死の発生頻度が極めて高いことが明らかとなった。
背景・ねらい 養殖マガキでは赤潮や貧酸素などにより大量斃死が発生し大きな被害を受けることがある。その他にも産卵期またはその直後に大量斃死が発生することがある。その原因や背景として、成熟・産卵との関連や高水温、高塩分、有機物による水質汚染、産卵障害、有機汚濁による富栄養化と高水温による代謝亢進等が指摘されているものの、発生機構は明らかでない。本研究では、斃死発生機構の解明の一助とするために、1970年以降に発生した大量斃死と、水温および降水量との関係について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 1970年から2004年まで当センター地先の水温が20℃以上の超過日数は、年平均137.2日、標準偏差9.7日であった。2001年を除く大量斃死発生年の20℃超過日数は、〔年平均+標準偏差〕以上で高水温傾向の年であった。2001年は140日と平均に近く、高水温傾向の年ではなかった。一方、斃死発生年ではない1990、1998、1999年も、145日以上であり高水温傾向の年であった。
  2. 1941年以降の7~10月の間において、4ヶ月間の降水量は、平均678mm、標準偏差235mmであった。2001年を除く大量斃死発生年は〔平均-標準偏差〕以下か又はこれに近い値を示した。しかし、1970年以降についてみれば、1977、1978、1984、1988年も少雨傾向の年であった。
  3. 高水温又は少雨傾向の年は、いずれも大量斃死の可能性はあるものの、必ずしも発生するとはいえないことがわかった。しかし、1970年以降水温20℃超過日数及び4ヶ月間の降水量、これと大量斃死発生との関係をみると(図3)、2001年を除く大量斃死発生年は高水温傾向かつ少雨傾向の年であった。
  4. 2001年には、1999年の天然採苗不調時に導入された宮城産種苗により養殖されたかきで大量斃死が発生したためであり、大量斃死発生年としては特異な年と考えられた。
成果の活用面・留意点
  • 高水温かつ少雨傾向の年は、なぜ大量斃死が発生するのか原因について更に検討が必要である。
  • 大量斃死が想定される場合に、養殖水深や養殖期間の調整など養殖操作により大量斃死を回避ないし低減する方法について検討が必要である。
図表1 229871-1.pdf
図表2 229871-2.png
図表3 229871-3.png
図表4 229871-4.png
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