蚕具類の改良による1人飼育

タイトル 蚕具類の改良による1人飼育
担当機関 福島県蚕業試験場
研究期間 1995~1997
研究担当者
発行年度 1995
要約 小規模(蚕種1箱程度)の条桑育を行う場合、蚕具類の改良と飼育方法の工夫により、1人飼育が可能である。
背景・ねらい 現行の条桑育技術体系の中で、除沙や上蔟作業は作業者2人の組作業を基本とし、その作業強度も比較的大きいため、小規模飼育の場合でも作業者1人で繭生産を行うことは困難である。そのため、養蚕従事者の減少や高齢化等の事情により、止むなく養蚕経営を断念するケースがみられる。そこで、養蚕経営の継続をねらいとして、作業者1人でも楽に蚕種1箱程度の小規模飼育ができるように、蚕具類の改良並びに飼育方法を検討した。
成果の内容・特徴
  1. 蚕具類の改良方法は蚕座シートを幅80cm、長さ100cm程度、除沙ネットを幅半分にする。回転蔟は回転枠を半分に切り、ボール蔟を5枚にする。スピード蚕入器は容器を半分に切り、櫛を4枚にする。
  2. 飼育は飼育台の片側半分を交互に使用して行うため、蚕座の必要面積は通常の場合の2倍となる。蚕座幅の約半分に切った蚕座シートを両側に敷き、4齢起蚕を片側に配蚕する。給桑は条桑を70cm程度に切り、縦掛け給桑とする。除沙はネットを1人で持ち上げ空いている反対側の蚕座に移す。貯まった廃条は縄1本で縛り、蚕糞蚕沙は蚕座シートで搬出する。上蔟は通常の条払いで収集した熟蚕を改良した蚕入器を使って4組のミニ回転蔟に振り込み、1人で懸垂する。
  3. 飼育方法別の作業時間調査(表1)では、蚕具類を改良した1人飼育は慣行飼育に比べ、給桑および除沙の作業時間は多い。上蔟作業は逆に1人飼育が作業時間は少ない。
  4. 回転蔟の重量調査(表2)では、熟蚕振り込み後の回転蔟の重量は慣行飼育の9.8kgに対し1人飼育は5.1kgと軽いため、1人でも楽に回転蔟の懸垂ができ、その作業強度も比較的小さい。
  5. 飼育成績調査(表3)では、1人飼育は慣行飼育に比べ、繭重は同程度であるが化蛹歩合はやや高く、収繭量はやや多い。
成果の活用面・留意点 1人飼育は養蚕従事者が1人化した小規模飼育農家に活用できる。
図表1 230878-1.gif
図表2 230878-2.gif
図表3 230878-3.gif
カテゴリ カイコ 経営管理

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