タイトル |
形状が良好で高加工性のオタネニンジン新品種候補「かいしゅうさん」 |
担当機関 |
福島県農業試験場 |
研究期間 |
1969~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
オタネニンジン「かいしゅうさん」は、「会津在来種」から選抜育成した系統である。出芽は「会津在来種」より4日早く、地上部の生育、土根形状、紅蔘に加工した場合の品質は「会津在来種」に優る。
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背景・ねらい |
会津地域で従来から作付けされてきた「会津在来種」は、「みまき」に比べて、 1根重が重く、主根径が太いものの、主根長が短く、土根形状がやや劣り、 また紅蔘に加工した場合の品質もやや劣る傾向にある。このため、 地上部の生育が良好で、土根形状、加工特性の優れた品種の育成が望まれている。
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成果の内容・特徴 |
- 「かいしゅうさん」は、昭和44年に福島県園芸試験場会津試験地
(昭和55年に福島県果樹試験場会津試験地に名称変更)において、 福島県会津地域で栽培されていた「会津在来種」 の中から収集した優良株から選抜し、 平成元年より福島県農業試験場会津支場が移管を受け、育成した系統である。
- 出芽は、「会津在来種」より4日、「みまき」より5日早く、地上部の生育は、
「会津在来種」より優り、「みまき」よりやや優る。
- 茎色は淡紫色で、小葉の幅は「会津在来種」、「みまき」と同程度であるか、
長さはやや長い。葉脚は、「会津在来種」、「みまき」と異なり、 やや漸先形である。
- 病害抵抗性は、「会津在来種」、「みまき」と同程度の「中」であるが、
収穫時の株の生存率は高い。
- 収量性は、「会津在来種」、「みまき」とほぼ同程度である。
- 1根重は、「会津在来種」よりやや軽く、主根径も「会津在来種」
よりやや細いが、主根長は「会津在来種」よりやや長く、土根形状は、 「会津在来種」より優る。
- 紅蔘に加工したときの品質は、「会津在来種」、「みまき」より明らかに優る。
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成果の活用面・留意点 |
- 出芽は「会津在来種」、「みまき」より4~5日早いことから、
日覆の時期に注意し、日焼けや霜害にあわないようにする。
- 栽培法は、慣行の栽培法に準じる。
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図表1 |
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カテゴリ |
加工
加工特性
新品種
にんじん
病害抵抗性
品種
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