タイトル | なばなとして利用できるなたね新品種「菜々みどり」 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 東北農業研究センター |
研究期間 | 1988~2000 |
研究担当者 |
山守誠 石田正彦 加藤晶子 遠山知子 千葉一美 奥山善直 田野崎真吾 菅原俐 遠藤武男 柴田悖次 |
発行年度 | 2001 |
要約 | なたね「菜々みどり」は熟期が「キザキノナタネ」と同じ中の晩で、耐寒雪性が強く、子実中にエルシン酸を含まない。野菜用なばなとして多収で、一本重が重い。収穫期間は「かぶれ菜」に比べて一週間程度早い。 |
キーワード | なたね、エルシン酸、なばな、多収 |
背景・ねらい | なたねは搾油用のほかに、早春に花茎および葉を収穫し、“なばな”、“くきたち”などと呼称される野菜としても利用されている。青森県においては越冬後の抽苔期に「カミキタナタネ」を株ごと収穫し、春野菜として出荷している。同県は搾油用なたねの最大産地であり、子実にエルシン酸を含まない「キザキノナタネ」が油用として作付けされている。しかし、「カミキタナタネ」はエルシン酸を含むので、自然交雑による「キザキノナタネ」へのエルシン酸汚染が懸念されている。そこで、越冬性に優れ野菜としても利用でき、汚染が起きない無エルシン酸なたねを育成する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 無エルシン酸・耐寒雪性強、多収品種の育成を目標に、無エルシン酸で耐寒雪性が強い「東北84号(のちのキザキノナタネ)」を母に、耐倒伏性が強く多収な「カミキタナタネ」を父として人工交配を行い、以後、選抜・固定を図り、育成した系統である。 2. 成熟期は「キザキノナタネ」並の中の晩で、寒雪害抵抗性は「キザキノナタネ」並の強であり、東北地方北部の栽培に適する。 3. 子実中にエルシン酸を含まない。 4. 栽培予定県(青森県)における子実重は「キザキノナタネ」並に多い。 5. 野菜用としての収量は育成地では「かぶれ菜」並で、栽培予定県では「かぶれ菜」より多収だが、「カミキタナタネ」よりはやや少ない。 6. 野菜としての一本重は「かぶれ菜」、「カミキタナタネ」より重い。 7. 野菜としての収穫期間は「かぶれ菜」より一週間程度早く、「カミキタナタネ」並である。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 野菜としての利用法は、抽苔期に株ごと収穫する形態で試験した結果である。 2. 油糧用として使用する場合には、なたねと交雑可能なアブラナ科植物と充分距離を離して栽培する。種子は無エルシン酸が維持されていることを確認して使用する。 3. 根こぶ病に抵抗性がないので、連作や発生地での栽培は避ける。 4. 越冬前の生育量を充分確保するために、適期播種を励行する。 |
図表1 | ![]() |
カテゴリ | あぶらな 出荷調整 新品種 抵抗性 なたね なばな 播種 品種 |