高アミロース小麦の澱粉特性

タイトル 高アミロース小麦の澱粉特性
担当機関 (独)農業技術研究機構 東北農業研究センター
研究期間 1999~2001
研究担当者 安井健(近農研)
加藤晶子
山守誠
松木順子(食総研)
早川克志(日清製粉)
藤田修三(三重短大)
由比真美子
発行年度 2001
要約 高アミロース小麦の澱粉は通常の小麦よりアミロース含量は約9%高い37%で、アミロペクチンの鎖長分布が変異しており、澱粉は結晶性を消失している。また、澱粉の膨潤度が低下し、ラッピドビスコアナライザーによる最高粘度なども低い。
キーワード 小麦、澱粉、高アミロース、糊化特性
背景・ねらい 小麦澱粉粒に結合したタンパク質SGP-1は澱粉合成酵素Starch Synthase IIであり、これを小麦が欠失すると小麦粉の澱粉は高アミロース化する。しかし、高アミロース小麦の澱粉構造や特性については未知であったので、その解明をねらいとする。
成果の内容・特徴 1.
高アミロース小麦の澱粉は変形し、種子の澱粉含量は約49%と少なく、青価が高い。アミロース含量は通常の小麦より約9%高い37%である。(表1)。
2.
陰イオン交換クロマトグラフィー(HPAEC-PAD)によると、アミロペクチンの重合度6~10の鎖が増加し、重合度11~25の鎖は減少しており、短い鎖が多くなっている(図1)。
3.
示差走査熱量分析(DSC)のアミロペクチンに由来する吸熱ピークが検出できないこと、X線回折でピークがないため結晶度を算出できないこと(表2)、偏光顕微鏡による偏光十字が澱粉粒に現れないことから、高アミロース小麦の澱粉は結晶性を失っている。
4.
澱粉を用いたラッピドビスコアナライザー(RVA)分析の最高粘度、最低粘度、最終粘度が低く、膨潤度は低下し(表3)、新規な糊化特性を示す。
成果の活用面・留意点 1.
小麦粉の新規用途を開発するための素材として活用できる。
2.
本小麦の高アミロース性などの澱粉特性は3つの遺伝子(Sgp-A1、Sgp-B1、Sgp-D1)によって支配されている。
図表1 231786-1.gif
図表2 231786-2.gif
図表3 231786-3.gif
図表4 231786-4.gif
カテゴリ 小麦

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