リンゴ樹の枝葉の混み具合を簡単に評価できる葉群密度判定値

タイトル リンゴ樹の枝葉の混み具合を簡単に評価できる葉群密度判定値
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
研究期間 2005~2007
研究担当者 猪俣雄司
井原史雄
別所英男
工藤和典
土師岳(東北農研)
高梨祐明(東北農研) 
発行年度 2007
要約 「葉群密度判定値」は植栽面積あたり葉面積と相関が高く、リンゴ樹の枝葉の混み具合を簡単に比較でき、樹への薬剤到達性の程度を推定できる。
キーワード 栽培管理、リンゴ、葉群密度判定板、樹冠評価
背景・ねらい 我が国でリンゴのわい性台木として広く使用されているM.26 台では、樹が大きくなり、樹冠内部や隣接樹との交差部位などで農薬が到達しづらくなる傾向が認められる。これを解決するために、生産農家では、スピードスプレヤーの散布量や風量を大きくして樹への薬剤到達性を確保している。そのため、園地から外部へ農薬のドリフトが助長されることが懸念されている。一方、ポジティブリスト制の施行に伴い、農薬ドリフト低減可能な樹形の開発が急務となっている。そこで、薬剤到達性を簡単に測定できる樹冠評価法を開発し、農薬ドリフトがなく薬剤到達性のよい樹形の開発に役立てる。
成果の内容・特徴
  1. 葉群密度判定値とは、葉群密度判定板を用いる方法で、具体的には、直径20cm赤い○印を28 個(4 個× 7 列)書き入れた縦90cm ×横160cmベニヤ板(試作品)を測定者の反対側の作業道に立て、測定者側から樹冠内部を通して見える赤い○印の頻度具合を達観調査し、数値として表す手法である(図1、図2)。
  2. 葉群密度判定板による葉群密度判定値と植栽面積あたり葉面積との間に相関関係がみられ(図3 A)、樹冠内の枝葉の混み具合を評価できる。
  3. 葉群密度判定板による葉群密度判定値と薬剤到達性との間に相関関係がみられ(図3 B)、樹への薬剤到達性の程度を評価できる。
成果の活用面・留意点
  1. 葉群密度判定板を用いる葉群密度判定値の測定法は、圃場でリンゴ樹冠内の枝葉の混み具合を簡単かつ安価に評価できる。
  2. 植栽距離や樹の大きさに合わせて、測定範囲を調整する必要がある。
  3. 測定方法を工夫することにより、リンゴ以外の他樹種にも応用できる可能性が高い。
  4. この手法は測定者の達観調査によるため、得られたデータは、あくまでも枝葉の混み具合を相対的に示すものであり、絶対的データではない。
図表1 232663-1.gif
図表2 232663-2.gif
図表3 232663-3.gif
カテゴリ 病害虫 栽培技術 台木 農薬 評価法 薬剤 りんご

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