「べにふうき」緑茶からのメチル化カテキンの効率的な抽出方法

タイトル 「べにふうき」緑茶からのメチル化カテキンの効率的な抽出方法
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所
研究期間 2000~2007
研究担当者 山本(前田)万里
山本知広(アサヒ飲料)
篠田有希(アサヒ飲料)
渋市郁雄(アサヒ飲料)
物部真奈美
鈴木優子(アサヒ飲料)
廣野久子
発行年度 2007
要約  家庭等で飲用する場合「べにふうき」緑茶葉から60%以上のメチル化カテキンを抽出するには、100倍量以上の水で煮沸しながら5分以上煎じる必要がある。一方、食品メーカー等でエキス抽出する場合、温度を90℃以上、倍率を20倍以上、時間を9~15分とすれば同じ抽出率が得られる。
キーワード べにふうき、緑茶、メチル化カテキン、抽出率
背景・ねらい  「べにふうき」などに多く含まれるメチル化カテキンであるエピガロカテキン-3-O-(3-O-メチル)-ガレート(EGCG3”Me)及び飲料製造中に生成する熱異性体であるガロカテキン-3-O-(3-O-メチル)-ガレート(GCG3”Me)は抗アレルギー作用などの機能性を有することが確認されている。「べにふうき」を緑茶飲料として利用する際に、メチル化カテキンを効率的に摂取するための最適抽出条件を明らかにし、「べにふうき」緑茶の有効利用に資する。
成果の内容・特徴
  1. 一番茶(早摘み)、一番茶(適期摘み)、二番茶の中では、煮沸抽出では二番茶の、熱水静置抽出では一番茶(早摘み)のEGCG3”Me抽出率が高い(表1)。
  2. 家庭等で飲用する場合、「べにふうき」緑茶葉からメチル化カテキンを60%以上抽出するためには、100倍量以上の水で煮沸しながら5分以上煎じる必要がある。熱水を注いでそのまま5分静置した場合は約30%、一晩冷蔵庫で抽出した場合は約14%の抽出率にとどまる(表1)。
  3. 食品メーカー等が「べにふうき」緑茶葉からメチル化カテキン含量の多いエキスを熱水で攪拌抽出する際、70~95℃の抽出温度、20~50倍の抽出倍率、3~15分の抽出時間の範囲内では、温度を90℃以上、倍率を20倍以上にし、時間を9~15分という条件を選択すれば同じ抽出率が得られる(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. エキス抽出法に関しては食品工業にも応用できる。
  2. アレルギー性鼻炎の症状改善効果の認められた1日あたり34mgのメチル化カテキン(日本臨床栄養学会誌(2005)27(1),33-51)を摂取するためには、茶葉中のメチル化カテキン含量が1.5%であれば、3.8gの茶葉を約400mlの水で煮沸しながら5分以上煎じる必要がある。
  3. 実験に使用したのは蒸留水であり、硬水を使用して抽出する場合は、抽出率が下がるので注意を要する。
図表1 233129-1.png
図表2 233129-2.png
カテゴリ 機能性

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる
S