| タイトル |
ニュートリゲノミクスによるフラボノイドのマウス糖尿病症状軽減効果の解析 |
| 担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 |
| 研究期間 |
2006~2009 |
| 研究担当者 |
小堀真珠子
大池秀明
|
| 発行年度 |
2009 |
| 要約 |
DNAマイクロアレイを用いた組織遺伝子発現の網羅解析により、糖尿病誘発マウスにおけるケルセチンの糖尿病症状軽減作用及びフロリジンの血糖値低下作用のメカニズムが示される。
|
| キーワード |
ケルセチン、フロリジン、DNAマイクロアレイ、糖尿病
|
| 背景・ねらい |
健康に対する関心の高まり、健康食品の過剰摂取による健康被害の問題等から信頼性の高い機能性評価技術の開発が必要とされている。そこで、ニュートリゲノミクスで用いられるDNAマイクロアレイを用いた遺伝子発現の網羅解析により、機能性発現機構の解析を試みた。ケルセチンおよびフロリジン等のフラボノイドは生活習慣病予防効果を示すことが期待されている。そこで、糖尿病を誘発したマウスにケルセチンまたはフロリジンを摂取させ、糖尿病の症状と肝臓の遺伝子発現に及ぼす影響等を調べ、これらフラボノイドの有効性と作用機構を解明する。
|
| 成果の内容・特徴 |
- ケルセチンは糖尿病マウスでみられる血糖値の上昇を抑制する。また血中インスリン濃度の減少を抑制すると共に肝臓で酸化ストレスの指標であるTBARSを減少させる(表1)。
- 肝臓の遺伝子発現解析では、ケルセチンが糖尿病の肝障害発症に関わる細胞周期制御因子遺伝子グループ(表2)の発現を抑制し、細胞周期を回復させて肝障害を軽減することが示唆される。また、膵臓においても、ケルセチンは細胞周期制御因子Cdkn1aの発現を抑制する。
- 断片化したDNAを染色するTUNEL法による肝臓組織の損傷の観察により、ケルセチン摂取による肝障害の軽減が確認される(図1)。
- 同様の試験で、フロリジンは糖尿病マウスの血糖値の上昇を抑制するが、血中インスリン濃度及び肝臓のTBARSレベルには影響を及ぼさない(図2)。DNAマイクロアレイ及びRT-PCR法による遺伝子発現解析を行い、フロリジンは小腸で、糖尿病マウスで3.4倍に上昇したグルコース共輸送体SGLT1の発現を2.1倍まで有意に抑制することを明らかにする。グルコースの吸収を減少させ、結果として血糖値が低下する。
|
| 成果の活用面・留意点 |
- DNAマイクロアレイによる組織遺伝子発現の網羅解析は食品成分の機能性発現機構の解明に活用することができる。
- DNAマイクロアレイによる遺伝子発現解析により機能性およびその発現機構を解明するためには、動物実験において適切な評価系を用い、遺伝子発現解析では適切な統計解析手法を用いることが重要である。
|
| 図表1 |
 |
| 図表2 |
 |
| 図表3 |
 |
| 図表4 |
 |
| カテゴリ |
機能性
評価法
輸送
|