閉鎖循環飼育システムに用いる硝化機能活性化生物ろ過装置の開発

タイトル 閉鎖循環飼育システムに用いる硝化機能活性化生物ろ過装置の開発
担当機関 (独)水産総合研究センター
研究期間 2006~2010
研究担当者 山本義久
安藤 忠
森田哲男
発行年度 2009
要約 閉鎖循環飼育を産業的に普及させるためのシステム開発の一環として、高効率のアンモニア除去とメンテナンスフリーを実現した間歇濾過方式の新規生物濾過装置を開発した。同一ろ材を用いた硝化能力試験では従来の浸漬ろ床方式と比較すると1.5~1.7倍の能力を示し、約2年間,ろ過槽の掃除が不要であることを明かとした。また、大型装置に対応可能な安定稼働の構造について検討・最適化し、特許出願した。
背景・ねらい 我が国では海面小割網魚類養殖場からの排出物による周辺海域への環境負荷の問題が近年取りざたされ、環境保全の立場から飼育施設から出る廃水を処理可能な陸上での閉鎖循環飼育が注目されている。しかし、現状ではシステムのコストが高く普及に到っていないため、低コストで高性能なシステムの開発が求められている。屋島栽培漁業センターでは閉鎖循環飼育システム開発を実施し、これまでに飼育水中の有機懸濁物質の除去能力が高く、比較的安価な泡沫分離装置を開発すると共にその有効性を検証した。今回、高性能でメンテナンスフリーの生物濾過装置の開発について取り組み、産業的に普及可能な閉鎖循環飼育システムの構築を目指す。
成果の内容・特徴
  • 間歇ろ過方式とはサイフォンの原理を利用して動力等を必要とせずに自動的にろ過槽の水位が上下し、ろ材が浸漬と干出を繰り返すろ過方式のことである(図1)。本ろ過方式は酸素をろ材のすみずみまで安定的に供給できるため、容量あたりの硝化能力が高くなるとともに、ろ材の閉塞やろ過槽内の沈殿物の滞留が大幅に軽減される等、従来方式にはない有効性がある。
  • 間歇作用の安定化のためにサイフォン作用を確実に停止させる方式を検討した結果、外側に円筒フロートを設置した3重構造の方式が最も安定的に稼働することが示され(図2)、特許出願した(特願2008-203934)。
  • 間歇ろ過方式の高性能性を検証するために、汎用タイプのろ過方式と比較し、浸漬ろ床方式(ろ材が完全に水に浸漬した状態で濾過する方式)を基準として評価した結果、散水ろ床方式(ろ材が空中に干出した状態で上面からシャワー状に濾過する方式)は1.2倍、間歇ろ過方式は1.5~1.7倍の硝化能力があり、間歇濾過方式が最も硝化能力が高かった(図3)。
成果の活用面・留意点
  • 高性能でメンテナンスフリーの生物濾過装置が開発できたことより、陸上の閉鎖循環飼育の産業的普及に繋がる。
  • 本研究で開発された生物濾過装置は大型化できアンモニア除去能力が高いことから、廃水処理や河川浄化など多方面への利用も考えられる。
図表1 234295-1.jpg
図表2 234295-2.jpg
図表3 234295-3.jpg
カテゴリ コスト 低コスト

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