アカスジカスミカメとアカヒゲホソミドリカスミカメの混合誘引剤の開発

タイトル アカスジカスミカメとアカヒゲホソミドリカスミカメの混合誘引剤の開発
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター
研究期間 2006~2010
研究担当者 安田哲也
奥 圭子
樋口博也
鈴木智貴
加進丈二
吉島利則
渡邊朋也
武田 藍
安田美香
田渕 研
高橋明彦
山下美与志
福本毅彦
望月文昭
発行年度 2010
要約 2種斑点米カメムシ、アカスジカスミカメとアカヒゲホソミドリカスミカメのフェロモン成分を混合しても雄に対する誘引活性は低下しないことから、フェロモン成分の混合誘引剤を用いることにより、2種をひとつのトラップで同時にモニタリングできる。
キーワード アカスジカスミカメ、アカヒゲホソミドリカスミカメ、イネ、斑点米、性フェロモン、モニタリング
背景・ねらい アカスジカスミカメやアカヒゲホソミドリカスミカメは、ともに斑点米を発生させ米の品質を著しく低下させる。この2種のカスミカメムシ類ではそれぞれ雄を誘引する性フェロモン成分が同定されており、発生予察技術の開発が進められている。両種は日本の広い地域において同所的に存在していることから、ひとつのトラップで同時にモニタリングできれば、調査労力やコストの削減につながる。
そこで、混合誘引剤を用いた2種カスミカメムシのトラップへの捕獲を検討することにより、より効率的なモニタリング技術の開発を行う。
成果の内容・特徴
  1. イネ科植物が生育した野外における誘引試験において、アカスジカスミカメとアカヒゲホソミドリカスミカメのフェロモン成分(図1)をゴムキャップに含浸させた混合誘引剤は、それぞれの種の誘引剤(アカスジカスミカメ用誘引剤およびアカヒゲホソミドリカスミカメ用誘引剤)と同様に2種カスミカメムシ類を誘引し、捕獲数においても有意な差はない(図2)。
  2. イネが出穂した水田においても、混合誘引剤はそれぞれの種の誘引剤と同様に2種カスミカメムシ類を誘引し、捕獲数においても有意な差はない(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 本種の発生予察技術を開発するための基礎的資料となる。
  2. すでにアカスジカスミカメではhexyl butyrate、(E)-4-oxo-2-hexenal、(E)-2-hexenyl butyrate (Yasuda et al., 2008)、アカヒゲホソミドリカスミカメではhexyl hexanoate、(E)-2-hexenyl hexanoate、octyl butyrate (Kakizaki and Sugie, 2001)のそれぞれ3成分からなる性フェロモンが同定され(図1)、それぞれの合成フェロモン剤は種特異的な誘引を示す。
  3. 本混合誘引剤は灰色ゴムキャップ(1F Sleeve Stopper 1888 Gray, 8 mm outside diameter, West Pharmaceutical Services Singapore Pte Ltd., Singapore)に含浸させたものであり、粘着板をトラップとして利用できる。
  4. 本合成フェロモン剤およびこれらの成分を用いた直接的な防除技術については検討されていないので、現在は本混合誘引剤をアカスジカスミカメやアカヒゲホソミドリカスミカメの防除に用いることはできない。
図表1 234370-1.png
図表2 234370-2.png
図表3 234370-3.png
カテゴリ 病害虫 アカスジカスミカメ カメムシ コスト 水田 性フェロモン 斑点米 斑点米カメムシ フェロモン 防除 モニタリング 予察技術

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