1-MCPは減圧下で処理すると処理時間を大幅に短縮できる

タイトル 1-MCPは減圧下で処理すると処理時間を大幅に短縮できる
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所
研究期間 2001~2009
研究担当者 樫村芳記
羽山裕子
伊東明子
中村ゆり
発行年度 2010
要約 1-MCPの品質保持効果は、1-MCPを処理容器内に注入する際の容器内気圧が低いほど同等の処理効果を得るために必要な暴露時間が短い。リンゴでは20kPaで1分、ニホンナシでは10kPaで30分の暴露処理で貯蔵中の品質低下を顕著に抑制することができる。
キーワード エチレン、鮮度保持剤、ニホンナシ、日持ち性、リンゴ
背景・ねらい 1-メチルシクロプロペン(1-MCP)は強力なエチレン作用阻害剤であり、収穫後に処理すると、リンゴやニホンナシの日持ち性が大幅に向上する。しかしながら、本剤による最大の品質保持効果を得るためには、収穫後速やかに、かつ12~24時間暴露処理する必要がある。そこで、処理時間を短縮することを目的に、減圧下での短時間処理が鮮度保持効果に及ぼす影響を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 1-MCPの品質保持効果は、1-MCP注入時の処理容器内の気圧が低いほど高く、リンゴでは20kPa以下の減圧下で10分間暴露処理すると常圧下で18時間暴露処理した場合とほぼ同等の処理効果が得られる(表1)。
  2. リンゴでは、処理容器内の気圧を20kPa以下まで減圧後1-MCPを1分間暴露処理することにより、貯蔵中の果肉硬度の低下、滴定酸度の減少、果心内エチレン濃度の増加、果皮の油上がりの発生が顕著に抑制される(表2)。
  3. ニホンナシでは、処理容器内の気圧を10kPaまで減圧後1-MCPを注入し、30分以上暴露処理することにより、貯蔵中の果肉硬度の低下が顕著に抑制される(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 処理装置には野菜の予冷等に利用される真空冷却装置も使用できる。
  2. 農薬登録において、リンゴ、ナシの1-MCP処理は常圧下で12~24時間気密性の高い容器内で処理することとされており、本技術を利用するためには農薬登録の適用拡大が必要である。
図表1 234435-1.png
図表2 234435-2.png
図表3 234435-3.png
カテゴリ 病害虫 農薬 品質保持 りんご

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