北海道におけるジャガイモ塊茎褐色輪紋病の発生実態と当面の防除対策

タイトル 北海道におけるジャガイモ塊茎褐色輪紋病の発生実態と当面の防除対策
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2006~2010
研究担当者 中山尊登
眞岡哲夫
清水基滋
安岡眞二
三澤知央
田中文夫
津田昌吾
森 元幸
発行年度 2010
要約 ジャガイモ塊茎褐色輪紋病の病原ウイルスであるジャガイモモップトップウイルス(PMTV)は北海道内に広く分布している。ばれいしょ主要品種の塊茎褐色輪紋病抵抗性には明確な品種間差があり、フルアジナム水和剤の土壌施用により防除効果が認められる。
キーワード ジャガイモ塊茎褐色輪紋病、ジャガイモモップトップウイルス
背景・ねらい ジャガイモ塊茎褐色輪紋病は、ジャガイモモップトップウイルス(PMTV)による土壌伝染性のウイルス病で、PMTVはジャガイモ粉状そうか病菌により媒介されることが知られている。平成17年の北海道での本病発生確認以降、北海道農研と北海道立農業試験場(現北海道立総合研究機構農業研究本部)が協力して緊急対応を行ってきた。本病に対する防疫方針を構築する上で重要と考えられる道内における発生分布の実態把握、ばれいしょ主要品種の塊茎褐色輪紋病抵抗性の品種間差異ならびに粉状そうか病防除薬剤による本病防除効果を明らかにし、当面の防除対策を策定する。
成果の内容・特徴
  1. PMTVは北海道十勝地方のジャガイモ塊茎褐色輪紋病発生地周辺調査では224圃場中137圃場、道内10振興局(空知、石狩、後志、胆振、渡島、檜山、上川、オホーツク、十勝、根室)管内の調査では365圃場中26圃場から検出され、陽性圃場は調査した9振興局管内全てに及び、道内全域に広く分布している。しかしPMTV陽性と判定された圃場でも、実際に本病の発生が確認されたのは現時点では1例にすぎない。
  2. 本病に対する抵抗性には明確な品種間差が存在し、発症塊茎の病徴には差異が認められる(表1、図1)。RT-PCR-MPH法により、無病徴を含む全供試品種からPMTVが検出され、供試品種中に免疫性品種は見出されていない(表2)。また塊茎褐色輪紋病の病いも率と粉状そうか病の発病度の間に相関は認められない(表1)。圃場試験において、いずれの品種も茎葉部に明瞭な病徴は認められない(データ省略)。
  3. フルアジナム水和剤の植付前全面散布後土壌混和処理により高い本病防除効果が認められる(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. PMTVの発生状況に応じた防除対策策定のための基礎的な知見として利用できる。なお、フルアジナム水和剤はジャガイモ塊茎褐色輪紋病に対して適用拡大登録されている(平成20年4月)。
  2. PMTV陽性圃場のほとんどで本病の発生は認められていないが、今後の発生動向に注意を要する。
  3. 本病に対するばれいしょ品種の抵抗性の評価は、単年度の圃場試験結果にもとづく暫定的な評価である。
平成22年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「ばれいしょの塊茎褐色輪紋病の発生実態と当面の防除対策」(指導参考)
図表1 234666-1.png
図表2 234666-2.png
図表3 234666-3.png
図表4 234666-4.png
カテゴリ 病害虫 抵抗性 ばれいしょ 品種 防除 薬剤

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