水稲のアミロース含有率を低減化する3つの遺伝子間の相加効果

タイトル 水稲のアミロース含有率を低減化する3つの遺伝子間の相加効果
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2006~2010
研究担当者 松葉修一
船附稚子
清水博之
横上晴郁
黒木 慎
発行年度 2010
要約 北海道向け低アミロース米に由来するアミロース含有率低減化遺伝子Wx1-1(座乗染色体6S)とqLAC6h(座乗染色体6L)およびWx1-1qAC9.3(座乗染色体9S)の間には相加効果が認められ、DNAマーカーによる効率的な選抜が可能である。
キーワード 水稲、低アミロース、アミロース含有率、低減化、遺伝子、相加効果
背景・ねらい 水稲玄米のアミロース含有率は炊飯米の粘りと負の相関があり、低アミロース品種・系統は粘りのある良食味米として育成・利用されてきた。北海道においても、3種類の異なるアミロース含有率低減化遺伝子をもつ品種・系統群が育成されている。それらは、(1)「おぼろづき」「ゆめぴりか」「ゆきがすみ(北海300号)」等、(2)「彩」「あやひめ」「はなえまき」等、(3)「ゆきさやか(北海302号)」「北海PL9」等であり、それぞれの保有する低減化遺伝子は、Wx1-1qLAC6hqAC9.3である。またそれぞれの遺伝子を検出するDNAマーカーも開発されている。さらに、水稲のアミロース含有率は登熟温度と負の相関があることも知られている。
本研究では、これら3つのアミロース含有率低減化遺伝子間の相加効果を明らかにして、アミロース含有率が異なる水稲の育種を効率化するための基礎的知見を得ることをねらいとする。
成果の内容・特徴
  1. 2つの単交配それぞれに由来するF3、F4集団を北海道内の圃場に栽植し、保有するアミロース低減化遺伝子組み合わせがそれぞれ異なるグループ間の種子のアミロース含有率を比較すると、3つのアミロース低減化遺伝子(qLAC6hWx1-1qAC9.3)それぞれを単独で保有するグループは持たないグループと比べて有意にアミロースが低減する。その低減効果は、Wx1-1よりもqLAC6hが大きく、qAC9.3よりもWx1-1が大きい傾向があるが、低減効果には年次間差がある(表、図)。
  2. qLAC6hWx1-1およびqAC9.3Wx1-1を合わせ持つグループは、単独で持つグループよりもさらにアミロース含有率が相加的に低減化される(図)。
  3. 保有するアミロース低減化遺伝子組み合わせがそれぞれ異なるグループ間の出穂後30日間の平均登熟温度は同程度であるので(表)、アミロース含有率の差違はアミロース含有率低減化遺伝子の効果による。
成果の活用面・留意点
  1. 育種初期世代に各低アミロース低減化遺伝子を検出することにより、アミロース低減化遺伝子の単独および相加効果を利用した、アミロース含有率の異なる品種・系統の育成を効率化することができる。
  2. Wx1-1をPCRにより簡便に検出することが出来るプライマー塩基配列はBreeding Science 60: 187-194において公開されている。また、qAC9.3およびqLAC6hをそれぞれ検出する近傍のSSRマーカー、'RM23793'と'RM7555'のプライマー塩基配列はNature 436, 793-800において公開されている。
図表1 234667-1.png
図表2 234667-2.png
カテゴリ 育種 水稲 DNAマーカー 品種 良食味

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