イネの遺伝子発現データベースRiceXProの開発・公開

タイトル イネの遺伝子発現データベースRiceXProの開発・公開
担当機関 (独)農業生物資源研究所
研究期間 2008~2010
研究担当者 佐藤 豊
バルタザール・アントニオ
長村吉晃
発行年度 2010
要約 ゲノムが解読されたイネの全遺伝子の発現情報を田植えから刈取りまで全生育過期間について詳細に解析、データベース化し、全世界に公開・発信した。本データベースは、作物の中で最も正確かつ情報量の多い遺伝子発現データベースである。
キーワード イネ遺伝子発現情報、マイクロアレイ解析、データベース
背景・ねらい イネ品種「日本晴」の全塩基配列が2004年12月に決定され、約32,000の遺伝子の存在が明らかになったが、大部分の遺伝子の機能は未解明である。それぞれの遺伝子がいつ、どこで働いているかという発現情報は遺伝子の機能を推測する重要な手がかりになり、「イネ」を理解し、改良を進める上で重要である。そこで、イネの遺伝子発現情報を網羅的に収集し、遺伝子発現データベースの開発に取り組んだ。
成果の内容・特徴
  1. つくば圃場でイネ品種「日本晴」を栽培し、田植えから刈取りまでの全生育期間において、時間経過(基本的に毎週)を追ってそれぞれの発達ステージ毎に、葉、茎、根、穂、種子などの様々な器官・組織を採取し、マイクロアレイ解析手法を使って網羅的に遺伝子発現を測定した。その結果、各遺伝子がいつ頃、どの組織・器官で発現しているかという重要な情報が得られた。
  2. 得られた573万件の遺伝子発現情報を使って、詳細なイネ遺伝子発現情報データベースRiceXProを開発し、インターネットを通じて全世界に向けて公開した(図1)。
  3. 本データベースでは、キーワードなどを用いた検索機能によって、イネの全遺伝子がどの器官・組織、あるいはどの生育ステージで発現しているかを容易に調べることができる (図2、図3)。また、インターネット上で統計解析ツールを利用して、葉や根、種子等など特定の器官だけで発現している遺伝子を調べることも可能である。
成果の活用面・留意点
  1. イネの遺伝子発現情報は、今後イネだけでなく、オオムギ・コムギ等のイネ科作物の研究を加速させ、新品種の開発につながると期待される。
  2. 今後、イネの生育ステージや器官毎の遺伝子発現情報に加えて、植物ホルモンを処理した時の遺伝子発現情報や環境ストレス(高温、低温、乾燥等)条件下で変動する遺伝子情報の収集にも取り組む予定である。
図表1 234842-1.png
図表2 234842-2.png
図表3 234842-3.png
カテゴリ 大麦 乾燥 新品種 データベース 品種

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