| タイトル | 木質を高充填させたコンパウンドによる木材・プラスチック複合材の連続射出成形 |
|---|---|
| 担当機関 | (独)森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
木口 実 小林 正彦 川元 スミレ 片岡 厚 松永 浩史 甲斐 信吾 海老原 昇 |
| 発行年度 | 2011 |
| 要約 | 熱流動性の低い木粉を熱可塑性プラスチックと混合させ、木質充填割合の高い複合プラスチックの連続射出成形技術を開発しました。これにより、石油系プラスチックの代替となることが期待されます。 |
| 背景・ねらい | 年間約1億トン以上生産されているプラスチックのほとんどが石油に由来する化石資源から製造されるため、温室効果ガスである二酸化炭素の排出が問題となっています。木質バイオマスからの木粉と熱可塑性プラスチックを混ぜ合わせて成型させた「木材・プラスチック複合材」は、含有する木材の量に応じて化石資源の使用を低減できますが、木粉量の増加と共に熱流動性が低下して成型性が低くなってしまいます。本研究では、湿熱処理によって木粉の熱可塑性を向上させ、木粉含有量が70%以上の木質高充填コンパウンド*による射出成型可能な複合材の連続製造技術を開発しました。 *コンパウンド 木粉とプラスチックを加熱下で混ぜ合わせて成型したもの。木材・プラスチック複合材の製造において、コンパウンドを押出成型機あるいは射出成形機に入れて製品を製造する。 |
| 成果の内容・特徴 | 世界中で年間約1億トン以上生産されているプラスチックは、その原料のほとんどが石油に由来する化石資源です。建築廃木材や林地残材などの廃棄物や未利用の木質バイオマスからの木粉とポリプロピレンなどの熱可塑性プラスチックを加熱下で混練し成型させた「木材・プラスチック複合材」は、含有する木材の量に応じて化石資源の使用を低減できます(図1)。しかし、木粉量の増加と共に木粉とプラスチックとの混合物であるコンパウンドの熱流動性が低下し、成型性が著しく低くなるという問題点があります。本研究では、木粉の湿熱処理あるいは膨潤処理によって熱可塑性を向上させ、木粉含有量が70%以上の木質高充填コンパウンドによる射出成型可能な複合材の製造技術を開発しました。これによって、木質バイオマスによる石油系プラスチックの代替が期待できます1)。熱流動性の高いコンパウンド製造技術木粉含有率が75%を超えるとコンパウンドの熱流動性が急激に低下します。コンパウンドの熱流動性は木材の熱可塑性に依存するため、木粉の熱流動性向上のための前処理技術を検討しました。その結果、混練時での水分添加や木粉の膨潤処理により木粉の熱流動性が向上することが明らかとなりました(図2)。このような前処理技術を混練工程に導入することによって、射出成型が可能な木質含有率70%以上の木質高充填コンパウンドの製造が可能となりました。このコンパウンドを用いて、カードケースなど様々な形状の製品が連続射出成型*により製造可能となります(図3)。今後の展開・展望複合材への木質含有率が80%を超えるコンパウンドによる連続射出成型は現在のところ難しい状況にありますが、新たな前処理技術あるいは添加剤の開発によりに射出成型が可能と考えています。現在、本成果を自動車部品や家電製品などの産業用プラスチックに応用する研究を進めています。本研究は「予算区分:農林水産省農林水産技術会議事務局委託プロジェクト、地域活性化のためのバイオマス利用技術の開発 -バイオマス・マテリアル製造技術の開発-」による成果です。 参考文献 1)木口 実 (2010).“未利用木質バイオマスを利用した木材・プラスチック複合材料(混練型 WPC)の開発.”季刊森林総研 第10号 : 9-11. (ISSN 1883-0048) 2)海老原 昇 (2010).“千葉県における木質高充填WPC技術を活用した木質バイオマス利用.”第40回木材の化学加工研究会シンポジウム講演集 : 35-40.(ISSN 1346-1141) *連続射出成型 木材・プラスチック複合材はコンパウンドを成形機に入れて製品を成型するが、射出成型はコンパウンドを加熱して流動性を持たせ、これを任意の型に一気に噴射して製品を成型する。射出成型は同一の製品を大量に製造することに適しており、射出して成型する操作を数千回繰り返すことが必要であり、このように連続して大量の製品を成型することを連続成型という。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| カテゴリ | 加工 |
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