| タイトル | 接合部の経時的な劣化を評価する |
|---|---|
| 担当機関 | (独)森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
軽部 正彦 青木 謙治 原田 真樹 |
| 発行年度 | 2011 |
| 要約 | 木造住宅を長く安心して使うために、通常よりはるかに厳しい環境に木材の接合部を曝して、強さを調べました。その結果、強度低下の度合いを壊さないで調べるための指標を作りました。 |
| 背景・ねらい | 木造住宅の釘接合部を模した試験体に、水中への浸漬と乾燥を繰り返す促進劣化処理を施し、その後、加力試験で強度を確かめました。その結果、釘の種類などの仕様による差はあるものの、促進劣化処理によって最大で2割程度、強度が低下することがわかりました。また、木造住宅の屋根トラスにも使われているメタルプレートコネクターで接合部試験体を作製し、屋外で長期間暴露した後、加力試験と非破壊及び局部破壊試験を行いました。その結果、接合部の強度特性値と非破壊及び局部破壊試験による指標値との間にはある程度の相関関係が見られ、非破壊及び局部破壊による材質を評価するためには、測定位置と適切な試験評価方法の選択が重要であることがわかりました。 |
| 成果の内容・特徴 | 背景安全な木造住宅を造るためには、木材そのものの耐久性だけではなく、木材同士をつなぐ接合部が、どれくらい強度低下するのかを知っておくことが重要です。また、実用的には、ある程度傷んだ建物の接合部が、どれくらいの強度を保持しているのかを知ることも重要です。ただ、それらを知るために、実際に壊して調べるわけにはいきませんから、何らかの非破壊的な評価指標が必要になります。そこで、釘接合部とメタルプレートコネクターという金物接合部を用いて、促進劣化試験と屋外暴露試験を行い、建物が傷んだ時の強度低下の度合と、それを壊さないで推定する方法について調べてみました。 促進劣化させた釘接合部の強度構造用の合板など、面材を使った木造住宅は、比較的簡単に耐震性を高めることが出来る構造です。この構造で重要なのが、面材を柱梁あるいは枠組などに留め付ける釘接合部ですが、これを模した試験体を厚さ 12mmの構造用合板を使い、釘や面材の種類といった接合部の仕様を変えて作製しました。この試験体を、そのまま釘側面抵抗試験したグループ(無処理)と、長期的な性能低下を評価するために水中への浸漬や乾燥を施す促進劣化処理を行った後に試験したグループ(乾湿繰返、72h浸漬)とを比較した結果、接合部の仕様や処理方法による差はあるものの、促進劣化処理によって最大で2割程度、強度が低下することがわかりました。この結果により、住宅の耐震性を評価する際には、施工直後の性能だけでなく、予め長期的な性能低下を考慮して評価をする必要があることが示唆されました。屋外暴露したメタルプレートコネクター接合部の強度メタルプレートコネクター(以下MPC)は薄い鉄板を打抜いて作った剣山のような金物で、木材を表裏から挟み込んで使います。小さな断面の木材を安定した強度で簡単に接合できるこの方法は、木造住宅の屋根トラスなどに使われています。このMPCを使って接合部試験体を作製し、屋外で1年から3年間暴露しました。暴露することによってMPCが徐々に浮き上がり、また接合部の強度は低下しました。この試験体の木材部分について、超音波伝播速度を測る非破壊試験と、ピン打込み深さを測る局部破壊試験を行った結果、接合部の強度特性値と非破壊及び局部破壊試験による指標値との間にはある程度の相関関係が見られました。超音波伝播速度を測る非破壊試験については、別途行った屋外暴露したドリフトピン接合部の強度試験でも、強度試験の結果と指標値の間で相関関係が見られました。これらの結果により、接合部の強度変化を非破壊あるいは局部破壊試験によって推定可能なこと、その際には材質を評価する位置と適切な試験評価方法の選択が重要であることがわかりました。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| 図表5 | ![]() |
| 図表6 | ![]() |
| カテゴリ | 乾燥 |
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