アオブダイ中毒検体のパリトキシンの分析

タイトル アオブダイ中毒検体のパリトキシンの分析
担当機関 (独)水産総合研究センター 中央水産研究所
研究期間 2009~2011
研究担当者 鈴木敏之
渡邊龍一
松嶋良次
足立真佐雄
発行年度 2012
要約 アオブダイ中毒検体のパリトキシン及びパリトキシン類縁体のLC-MS/MSによる高精度分析法を検討した。パリトキシンやパリトキシン類縁体の高感度かつ高精度な分析が初めて可能になり、中毒原因物質とされているパリトキシンやパリトキシン類縁体は検出されなかった。今回のアオブダイ中毒の原因毒は、パリトキシンや既知パリトキシン類縁体ではないことが明らかになった。
背景・ねらい 近年、わが国で散発的に発生しているアオブダイによる致死率が高い食中毒の原因毒がパリトキシンやパリトキシン類縁体であることを示唆する研究が報告されており、この説は厚生労働省のホームページに記載されるなど広く知られている。パリトキシン類は底生有毒渦鞭毛藻Ostreopsis属により産生されるため、本属が一次生産種である可能性が指摘されている。最近の事例では2012年3月にはアオブダイにより、パリトキシン様中毒と思われる事例で死者が発生している。また、パリトキシン様中毒として報告されない事例を加味すると少なからぬ中毒事故が発生している可能性が否定出来ない。我々は国内沿岸のOstreopsisのパリトキシンとその類縁体の毒組成の詳細を解明するためにLC-MS/MSによる一斉分析法を開発した(図-1)。この分析法を高度化することにより、アオブダイ中毒の実態解明のためにアオブダイを対象としたパリトキシンとその類縁体の高感度分析法を検討した。
成果の内容・特徴 アオブダイ中毒の原因毒として関与が疑われたパリトキシンについて、平成23年3月宮崎県延岡市で発生したアオブダイ中毒検体(頭部)及び、平成23年10月東京都港区で発生したアオブダイ中毒検体(アオブダイ頭部、内臓カレー煮付け、アオブダイ切り身)のパリトキシン及び既知パリトキシン類縁体をLC-MS/MS法により分析した。
  1. いずれのサンプルにおいても添加した標準品の回収率は約60%程度であり、ほぼ良好な回収率が得られた。本分析法の定量下限と検出限界値は極めて低く、2009年にEFSAが定めた海産食品中のパリトキシンの暫定許容量である30ppbを遥かに下回る濃度のパリトキシンの検出が可能であることから、中毒検体のパリトキシン同定法として十分に利用できる手法であると判断した(図-2)。
  2. アオブダイ中毒検体のパリトキシンを対象としたLC-MS/MSによる高精度分析を実施した結果、中毒原因物質として広く知られているパリトキシンやその類縁体は検出されなかった(図-2)。
成果の活用面・留意点
  1. アオブダイ中毒の原因毒はパリトキシンや既知パリトキシン類縁体ではないことが解明され、今後、本中毒の対策や中毒患者への処置法を検討する上で重要な知見が得られた。
  2. アオブダイ中毒における真の原因毒の解明に向けて前進した。
図表1 235518-1.gif
図表2 235518-2.gif
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=4202&YEAR=2012
カテゴリ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる