| タイトル |
生物脱臭装置での窒素成分と微生物の挙動解析 |
| 担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 |
| 研究期間 |
2008~2012 |
| 研究担当者 |
安田知子
和木美代子
黒田和孝
花島 大
福本泰之
鈴木一好
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| 発行年度 |
2012 |
| 要約 |
ロックウール生物脱臭装置で無機態窒素を資源回収する過程で、循環水の非イオン態NH3(FA)濃度の顕著な上昇に伴い、アンモニア処理性能とアンモニア酸化細菌の菌体量と多様性が低下するため、FAの蓄積防止が装置管理の上で重要である。
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| キーワード |
ロックウール生物脱臭、FA、水循環式、アンモニア酸化微生物群集
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| 背景・ねらい |
畜産廃棄系バイオマスであるふん尿の堆肥化過程において、生物脱臭装置でアンモニアの処理を行う場合、窒素を含む排水が生じるが、この排水は、回収窒素濃度を高めることができれば有機栽培用の液肥として利用しうる。変動するアンモニア負荷に対し、脱臭性能の安定性を確保し、窒素濃度を向上させるためには、窒素代謝に関与する細菌群の菌叢の多様性と菌体量の維持が重要である。そこで、アンモニア酸化に関わる微生物の動態と窒素の挙動とを調査し、ロックウール生物脱臭装置で窒素成分を回収する際の制御要因を明らかにする。
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| 成果の内容・特徴 |
- 水循環式ロックウール生物脱臭装置を、アンモニア負荷49-63gNH3m-3d-1で運転すると、硝化により循環水中にNO3-が蓄積し、pHは低下する。一方で吸収されたアンモニアの一部はNH4+として蓄積する(図1)。無機態窒素濃度が2%になるまでの日数は約360日であり、電気伝導率は約85mS/cmまで上昇するが、アンモニアの処理は良好に行われ、循環水を希釈することなしに運転を継続することが可能である。
- 436日間の長期運転期間中に流入したアンモニアはNO3-およびNH4+として、46%は脱臭担体に、11%は循環水中に含まれ、約30%が不明である。残りはサンプリングロス、N2O、微量の流出アンモニアである(データ略)。
- NH4+とpHのバランスにより循環水中FA濃度が上昇した際に、処理性能の一時的な低下が起こる(図1の破線で囲った期間)。このときのFA濃度は硝化細菌への有害性が報告されているレベルに達しており、硝化活性の阻害が脱臭性能に悪影響を引き起こしたと考えられる。
- 硝化の第一段階であるアンモニア酸化を担うと考えられる、アンモニア酸化細菌の菌体量の指標となるamoA遺伝子数を求めたところ、FA濃度が上昇した150日目で大幅に減少していることが明らかとなった(図2)。アンモニア酸化細菌の菌叢の多様性も同様に150日で減少することが示された(図2)。アンモニア酸化細菌の菌叢変化と装置内の環境要因との相関を調べると、菌体量当たりのFA濃度が高いと、多様性指数が有意に下がることが示唆される(データ略)。
- 以上のことより、循環水中FA濃度が上昇すると、アンモニア酸化細菌の菌数および多様性の減少が生じ、装置の安定性が低下すると考えられるため、pH制御などによりFAの蓄積を防止し、装置の安定性を維持することが重要であると考えられる。
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| 成果の活用面・留意点 |
- 窒素濃度2%以上の液を回収するために、プロセス中のpH制御で循環水のFA濃度の蓄積を回避するなど、脱臭装置管理方法の改良の基礎的情報となる。
- ロックウール脱臭装置での情報であり、他の方式の場合は別途検討する必要がある。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nilgs/2012/220d0_01_04.html
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| カテゴリ |
有機栽培
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