乳牛の泌乳曲線と乳房炎・肢蹄病および受胎率との間の遺伝的関係

タイトル 乳牛の泌乳曲線と乳房炎・肢蹄病および受胎率との間の遺伝的関係
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2009~2013
研究担当者 萩谷功一
山崎武志
長嶺慶隆
伊藤文彰
寺脇良悟
山口 諭
阿部隼人
後藤裕作
河原孝吉
増田 豊
鈴木三義
富樫研治
発行年度 2013
要約 泌乳ピーク期の乳量を増加させる方向へ遺伝的に改良すると、乳房炎および肢蹄病が増加する。経産牛の受胎率と乳量間に好ましくない遺伝相関が存在する。乳量と受胎率の遺伝相関は産次内で一定であり、泌乳曲線の形状が関係しない。
キーワード 乳量、乳房炎、肢蹄病、受胎率、乳用牛
背景・ねらい 乳牛における耐病性や繁殖性の改良は、治療や授精のための費用を低減することで酪農家に経済的な利益をもたらす。また、乳房炎、肢蹄障害などの疾病は、淘汰に関わる重要な要因であるため、それらの削減が長命性の向上をもたらす。乳牛では、泌乳と長命性を同時に改良することが重要であり、乳生産と疾病や繁殖性との間の遺伝的関係を明らかにする必要がある。そこで、北海道内の牛群検定記録(約46千頭から約260千頭)を用い、泌乳曲線と乳房炎、肢蹄病、初回授精受胎率(以下、受胎率)との間の遺伝相関を示す。
成果の内容・特徴
  1. 初産次の乳房炎と初産乳量との間の遺伝相関は乳期を通じて正の遺伝相関があり、特に泌乳前期に高い(図1)。初産乳量(305日乳量)の改良に伴って泌乳ピーク期の乳量が顕著に増加することから、305日乳量の改良により、乳房炎の増加が懸念される。
  2. 初産次の肢蹄病と初産乳量との間の遺伝相関は、泌乳初期を除き、正の遺伝相関があり、分娩後65日前後に最も高い(図2)。初産乳量の改良により、肢蹄病の増加が懸念される。
  3. 未経産牛の受胎率と乳量(初産および2産)との間には正の遺伝相関が存在する。経産牛の受胎率(初産および2産)と乳量(初産および2産)との間の遺伝相関が負であったことから、乳量の改良に伴って経産牛の受胎率の低下が懸念される。受胎率と乳量との間の遺伝相関は産次内で一定であり、泌乳曲線の形状を改良しても繁殖性の改善は期待できない(図3aおよび図3b)。
成果の活用面・留意点
  1. 乳期当たりの乳量の改良は泌乳ピーク期の乳量の増加を伴うことから、乳房炎および肢蹄病の増加が懸念される。泌乳持続性は泌乳ピーク期の乳量増加を抑え、泌乳中後期の乳量を増加させる技術であることから、泌乳持続性の改良により、乳房炎および肢蹄病の増加を抑制しながら、泌乳能力の改良が可能である。
  2. 乳牛の泌乳能力、体型形質および体細胞スコアについて重点的に改良を進めているが、泌乳能力の改良により、経産牛の繁殖能力の低下が懸念される。このことから、種雄牛選択において積極的に繁殖性の高い種雄牛を選択するなどの方法により、泌乳能力と同時に繁殖性を改良する必要がある。
図表1 236657-1.jpg
図表2 236657-2.jpg
図表3 236657-3.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/harc/2013/harc13_s11.html
カテゴリ 乳牛 繁殖性改善

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