ウシの咀嚼計と加速度計から行動および姿勢を判別するプログラム

タイトル ウシの咀嚼計と加速度計から行動および姿勢を判別するプログラム
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
研究期間 2011~2013
研究担当者 小松篤司
福重直輝
東山由美
深澤充
発行年度 2013
要約 本プログラムにより東北農業研究センターで開発された咀嚼計(SCRUM)と腰部に装着した加速度計のデータを利用してウシの採食、反芻行動および起立、横臥姿勢を容易に判別することが出来る。
キーワード ウシ、咀嚼計、採食、反芻、起立横臥
背景・ねらい ウシの給与飼料変更やストレスの負荷は行動の変化となって現れる。そのため、採食、反芻行動や姿勢(起立横臥行動)を測定することは重要である。現在、東北農業研究センターにおいてウシの咀嚼(採食と反芻)を記録する装置(SCRUM: Sequential Chewing and Rumination Measuring System)が開発されている(2008年成果情報(研究・参考):小型データロガーを利用したウシの採食・反芻時間測定装置)。そこで、SCRUMから得られるデータと、ウシの腰部に取り付けた加速度計の記録から採食、反芻行動と起立横臥行動を判別するプログラムを構築する。
成果の内容・特徴
  1. ウシの頭部に取り付けたSCRUM、および腰部に装着した加速度計の各々の計測結果を利用する(図1)。加速度計はY軸(ウシから見て左右方向)における5~30秒間隔の測定結果を利用する。加速度計は面ファスナーを介して腰部に装着する。スタンチョン、フリーストールによる飼養や放牧においても対応が可能である。
  2. SCRUMおよび加速度計から得られるテキストデータに対しプログラムを実行することで5分以内に起立休息、起立採食、起立反芻、横臥休息および横臥反芻の5つの行動パターンに分別して判別し、各時刻における行動結果をグラフ上で容易に可視化することが出来る(図2)。
  3. 全体の時間に対する各行動の割合をグラフ上で可視化することが出来る(図3)。
  4. プログラムによる計測結果とビデオ観察による正答率では起立:88.7%、起立採食:99.4%、起立反芻:96.7%、横臥:94.4%、横臥反芻:99.0%であり、全体においても94.9%であり、高い判別率である(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:独法、都道府県研究機関、および各都道府県の改良普及センターなどを対象にしている。給与飼料の変更や暑熱など環境要因による牛の行動の変化を調査するために利用し、効率的飼養管理技術の確立に寄与できる。
  2. 普及予定地域:普及地域限定はない。11月のプログラム認定後、現在までに各都道府県の農業研究機関、独法など7つの研究機関で利用されている。今後も環境要因の解析を行う研究機関で使用される予定である。
  3. その他:プログラムは2013年11月より東北農業研究センターにて無償配布中である。SCRUM作製にかかる費用は約14,000円、加速度計は約11,000円、ソフトウェアなど導入にかかる費用は約18,000円である。プログラム利用のためにはSCRUMと加速度計から得られるデータ、およびマイクロソフト社製ソフト(EXCEL2010以降)が必要である。
図表1 236661-1.jpg
図表2 236661-2.jpg
図表3 236661-3.jpg
図表4 236661-4.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/tarc/2013/13_018.html
カテゴリ 飼育技術

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