| タイトル | マングローブ林のバイオマスを測る -人工衛星を利用した広域推定手法の開発- |
|---|---|
| 担当機関 | (独)森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
平田 泰雅 小野 賢二 |
| 発行年度 | 2014 |
| 要約 | 陸域生態系の中でも最大級の炭素蓄積能力を有するマングローブ林の地上バイオマスを、高分解能衛星センサで観測される「樹冠サイズ」と衛星LiDARで観測される「林冠高」のそれぞれから広域推定する手法を開発しました。 |
| 背景・ねらい | マングローブ林 * は成長が早く、落ち葉などの有機物を泥炭層に炭素として蓄積することから、高い炭素蓄積能力を有しています。このため、マングローブ林の地上バイオマス(樹体量)を数百km2 レベルの広域で把握することが陸域炭素蓄積量を推定する上で重要な課題です。そこで、高分解能衛星センサで観測される「樹冠サイズ」と衛星LiDAR で観測される「林冠高」のそれぞれから地上バイオマスを推定する2つの手法を開発しました。ここで開発された高分解能衛星センサによる手法は広域での地上バイオマス推定に威力を発揮し、衛星LiDAR による手法は地上バイオマス推定精度を向上させることができます。 *マングローブ林 熱帯から亜熱帯にかけて分布する河口などの潮間帯(満潮になると海水が満ちてくるエリア)に成育する複数の樹種から成る森林の呼称。 |
| 成果の内容・特徴 | いまマングローブ林は熱帯から亜熱帯沿岸域に分布するマングローブ林は、成長が早く、落ち葉などの有機物を泥炭層に炭素として蓄積することから、高い炭素蓄積能力を有しています。しかし現在、薪炭材の利用や養殖池の造成や農地への転換のために多くのマングローブ林が伐採されつつあり、そのことが温暖化の一因ともなっています。マングローブ林を守り、適切に管理するためには、まず現状を知ることが大切です。このため、マングローブ林の地上バイオマス(樹体量)を数百km2 レベルの広域で把握する手法の開発が陸域炭素蓄積量を推定する上で重要な課題です。「樹冠」からの地上バイオマスの把握地上を覆い尽くすような根や泥炭で現地での調査が困難なマングローブ林の地上バイオマスを広域に推定するためには、人工衛星に搭載されたセンサを利用した観測が有効です。これまでの研究により、樹木の幹の直径や、幹の直径と樹高を組み合わせて地上バイオマスを推定していますが、上空からの観測で幹の直径を計測することはできません。そこで、1本1本の木の枝葉の広がり(樹冠)を観測できる高分解能衛星センサを用いて樹冠面積を計測し(図1)、地上調査により求めた樹冠と幹の直径との関係を使って、樹冠面積から1 本1 本の樹木の幹の直径を推定しました。さらに、得られた幹の直径からそれぞれの樹木のバイオマスを推定し、これらを足し合わせることによってマングローブ林の地上バイオマスを推定する式を求めました(図2)。ここで得られた推定式から得られたバイオマスに0.5 を乗じることにより炭素蓄積が算出されます。この手法を用いて広域での炭素蓄積をマッピングすることが可能になりました(図3)。「林冠高」からの地上バイオマスの把握高分解能衛星センサによる観測では樹冠のサイズから森林の地上バイオマスを推定しましたが、「林冠高」という森林の高さの情報を用いることにより、より精度の高い推定が期待されます。そこで、衛星LiDAR という森林の高さを計測可能なセンサを用いて森林の地上バイオマスを推定する手法を開発しました。衛星LiDAR はレーザーを用いた計測技術で、衛星から照射された近赤外のレーザー光が林冠表面から地表面に到達するまでの間に反射してくるまでの時間と反射の強さを計測することにより森林の3 次元構造を推定することができます。このレーザーがどの高さでより強く反射されるのかを調べ(図4)、その反射の地上からの高さを用いたモデルを作成して、地上バイオマスを精度よく推定することが可能になりました(図5)。ここで開発された高分解能衛星センサによる手法は広域での地上バイオマス推定に威力を発揮し、衛星LiDARによる手法は地上バイオマス推定精度を飛躍的に向上させることができます。 本研究は「予算区分:科学研究費助成事業、課題名:立地環境の異なるマングローブ林の炭素蓄積過程の解明と衛星技術によるその高精度把握」による成果です。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| 図表5 | ![]() |
| 研究内容 | http://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/seikasenshu/2014/documents/p38-39.pdf |
| カテゴリ | 亜熱帯 |
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