| タイトル | 雪崩発生地点の積雪の状態を気象データから推定する |
|---|---|
| 担当機関 | (独)森林総合研究所 |
| 研究期間 | |
| 研究担当者 |
竹内 由香里 平島 寛行 |
| 発行年度 | 2014 |
| 要約 | 雪崩発生地点の積雪状態を気象データと数値モデルで推定し、これまでに観測された5件の雪崩の発生要因を明らかにしました。 |
| 背景・ねらい | 雪崩災害を軽減するには、雪崩の発生要因を明らかにする必要があります。それには積雪状態の調査が必要ですが、雪崩の直後に発生地点へ行き、調査をすることは難しく、危険でもあります。そこで、新潟県妙高山域の幕ノ沢でこれまでに観測した5 件の雪崩について、気温や降水量などの気象データと数値モデルから積雪状態の変化を推定し、雪崩の発生要因を解析しました。その結果、5 件の雪崩の要因で最も多かったのは、「こしもざらめ雪(積雪内部に霜が発達してできる結合力の弱い雪粒子)」が形成されたことでした。積もったばかりの新雪が滑り落ちたり、雪解けが急に進んで積雪の強度が低下したことが要因と考えられる雪崩もありました。雪崩の観測とモデル解析の事例を積み重ねることで、気象データから雪崩の発生危険度を予測する技術につながります。 |
| 成果の内容・特徴 | 妙高・幕ノ沢雪崩試験地の観測雪崩は斜面の積雪が高速で流下する自然現象で、森林や構造物が破壊されるだけでなく、人的被害も毎年のように発生しています。雪崩がどのように発生するか、どこまで到達するかを知ることは雪崩災害の軽減につながります。そこで、新潟県の妙高山に近い幕ノ沢に、雪崩の発生を検知する観測装置を設置するとともに気象観測を長年続けてきました。この地域は、日本の多雪地域の中でも特に積雪が多く、幕ノ沢では最大積雪深が4 m を超え、2 ~ 3 年に1 度の頻度で2000 m 以上の距離を流下する大規模な雪崩が発生しています。雪崩発生地点の積雪状態の推定雪崩の発生要因を明らかにするには、雪崩の発生直後に発生地点(発生区)へ行き、積雪を掘って雪の深さや雪質、雪の強度など積雪の状態を詳細に調査する必要があります(図1)。しかし、雪の多い幕ノ沢の雪崩発生区(図2)の調査は非常に危険で困難です。そこで、積雪変質モデルと呼ぶ数値モデルを用いて、雪崩発生区の積雪状態の変化を連続的に推定しました。この方法は、スイスで開発され、日本の雪に合うように改良されたモデルで、幕ノ沢近くで観測した気温や降水量などの気象データ(図3)をもとに、発生区の標高や斜面の向き、傾斜を考慮して計算しました。雪崩の発生要因モデルの計算結果から、これまでに幕ノ沢で観測した5 件の雪崩の発生要因を調べました。乾雪表層雪崩の発生要因として最も多かったのは、昼間の温度上昇と夜間の温度低下により積雪内に温度差が生じて霜が発達し、雪粒子の結合が弱い「こしもざらめ雪」という雪が形成されたことでした(図4)。また、短時間に大量に積もった新雪が自重に耐えられずに崩れたと推定された事例もありました。一方、3 月に発生した湿雪雪崩では、急激な気温上昇によって生じた融雪水が浸透して、積雪の結合強度が低下したことが原因と推定されました。このように、数値モデルを利用すると雪崩発生区の積雪状態が推定でき、雪崩の原因を探ることができます。実際の雪崩事例を対象に気象データとモデルの雪質推定にもとづいた要因解析を積み重ねることにより、気象データから雪崩発生危険度をリアルタイムで予測する技術につながります。 本研究は「予算区分:科学研究費補助金、課題名:大規模表層雪崩に対する森林の減勢効果の研究」による成果です。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
| 図表4 | ![]() |
| 研究内容 | http://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/seikasenshu/2014/documents/p46-47.pdf |
| カテゴリ |
| 有限要素法を用いた現地埋設型ライシメータの集水特性の解明と設計 |
| もち性小麦系統「もち谷系H1881」及び「もち谷系H1884」 |
| 平成28年(2016年)熊本地震では中規模木造建物に大きな被害は出ていなかった |