タイトル |
農地等の除染作業時の粉じん実態とトラクタキャビンの防じん効果 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センター |
研究期間 |
2011~2014 |
研究担当者 |
小林恭
細川寿
宮原佳彦
宮崎昌宏
落合良治
伊吹俊彦
八谷満
(株)クボタ
井関農機(株)
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発行年度 |
2014 |
要約 |
農地や農地周辺におけるトラクタ利用による除染作業時のキャビン内粉じん濃度は、除染電離則で定められた高濃度粉じん(10mg/m3)より大幅に小さい。防じん効果は標準仕様キャビンより、高性能フィルタ等を装備した防じん型及びシールド型キャビンが高い。
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キーワード |
農地除染、粉じん、内部被ばく、トラクタ、キャビン
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背景・ねらい |
東京電力福島第1原子力発電所事故に起因する汚染農地等の除染作業において問題となる放射線の内部被ばくと外部被ばく量を抑制・低減するために開発された技術を、除染電離則(東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則)に準じた方法で測定(図1)・評価し、作業時の粉じん実態の把握と抑制効果を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 農地周辺除染作業時(標準仕様のキャビン付きトラクタ)のオペレータ周囲の粉じん濃度は、パワーハローによる砕土作業時で0.53mg/m3、農道表層はぎ取り作業時で0.47mg/m3、用排水路内土砂すくい上げ作業時で0.38mg/m3、畦畔表土削り取り作業時で0.24mg/m3、法面表土削り取り作業時で0.23mg/m3、表土削り取り機による削り取り作業時で0.25~0.86mg/m3と除染電離則の高濃度粉じん状態10mg/m3を大きく下回っている(表1 No.1~5)。
- 雑草処理作業時(標準仕様のキャビン付トラクタ)のオペレータ周囲粉じん濃度は、ディスクモアによる刈り取り作業で0.2~1.09mg/m3 、テッダレーキによる集草作業で1.49mg/m3、ロールべーラによる梱包作業で0.6~1.29mg/m3となるが、除染電離則の高濃度粉じん状態10mg/m3の値は大きく下回っている(表1 No.11-15)。
- トラクタキャビン外近傍の粉じん濃度は、テッダレーキによる集草作業で19.3mg/m3、ロールベーラによる梱包作業で11.0~15.6mg/m3と10mg/m3を超える場合もあり、作業を行っているトラクタの周辺での作業では、防じん対策が必要である(表1 No.13-15)。
- キャビン装着による粉じんの低減効果は、市販の標準キャビンで、71~96%である。粉じん対策用に開発された防じん型キャビン(キャビン内の気圧を高め、高性能フィルタ(チャコールフィルタ)を装着)、外部被ばく対策用に開発されたシールドキャビン(高性能フィルタ(HEPAフィルタ)と放射線を遮へいする鉛シートを装着)では99.3~99.8%となり、優れた防じん性能を有している(表1、表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 福島県などの農地等で除染等の作業を行う事業者、農業者に活用が期待される。
- 農地等の除染作業に当たっては、「除染関係ガイドライン」、「除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドライン」等に則り被ばく防止に努める。
- キャビン付きトラクタを使用する場合、作業中、ドアや窓の開閉を行わず、トラクタ乗車時には、キャビン内に泥やほこりを持ち込まないように注意する。
- 作業環境粉じん測定は、除染電離則に準じデジタル粉じん計(光散乱式)とローボリュームサンプラ+A型ホルダで並行して測定を行い、質量濃度変換係数(K値)を求め(K=0.03)たのち、デジタル粉塵計で測定した数値を、粉じん濃度(mg/m3)に換算した。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/narc/2014/narc14_s39.html
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カテゴリ |
病害虫
雑草
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