登熟期間中のイネ茎部β-(1→3),(1→4)-グルカンの減少

タイトル 登熟期間中のイネ茎部β-(1→3),(1→4)-グルカンの減少
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 作物研究所
研究期間 2007~2013
研究担当者 荒井裕見子
井田仁
趙鋭
西谷和彦
吉永悟志
髙井俊之
中野洋
岩澤紀生
近藤始彦
発行年度 2014
要約 登熟期間中、イネ茎部の細胞壁構造性成分β-(1→3),(1→4)-グルカンは減少する。登熟能力の異なる品種間では、β-(1→3),(1→4)-グルカンの減少量が異なっており、NSCの減少量や穂重増加量と密接な関係がある。
キーワード ヘミセルロース、β-(1→3),(1→4)-グルカン、非構造性炭水化物、収量
背景・ねらい イネの登熟は、出穂前の茎部の非構造性炭水化物(NSC)蓄積量、穂へのNSC転流量と出穂後の光合成産物量に影響を受ける。イネ科作物に特異的に存在する細胞壁成分ヘミセルロースの1つであるβ-(1→3),(1→4)-グルカンは、グルコースで構成されていることを考えると、これがNSCと同様に登熟に寄与する可能性があるが、その動態の品種間差異は明らかではない。そこで、登熟期間中におけるイネ茎部のヘミセルロース、β-(1→3),(1→4)-グルカン、NSCの動態の品種間差異を、登熟能力の異なる品種を用いて検討する。
成果の内容・特徴
  1. 茎部のヘミセルロース量は、登熟期間中にわずかに低下し、減少量は品種間で異なっている(表1)。
  2. 供試した登熟能力の異なる品種間では、登熟期間中の茎部のβ-(1→3),(1→4)-グルカン減少量が品種によって異なっている。穂重増加量と茎部のβ-(1→3),(1→4)-グルカン減少量の間には密接な関係がある(図1)。
  3. 開花後に穂を半分に切除した場合では、登熟期間中の茎部(稈及び葉鞘)のβ-(1→3),(1→4)-グルカンはNSCと同様に低下しない(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 登熟に伴う細胞壁構造性成分のβ-(1→3),(1→4)-glucanの減少量には品種間差異があるため、NSCに比べて量的に少ないが、NSCのように登熟に関係している可能性がある。
  2. 細胞壁構造性成分のβ-(1→3),(1→4)-glucanの減少により、茎の耐倒伏性が低下する可能性があり、今後検討が必要である。
図表1 237008-1.jpg
図表2 237008-2.jpg
図表3 237008-3.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nics/2014/nics14_s04.html
カテゴリ 品種

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