「サチユタカ」に難裂莢性を導入した大豆新品種「サチユタカA1号」

タイトル 「サチユタカ」に難裂莢性を導入した大豆新品種「サチユタカA1号」
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 作物研究所
研究期間 2001~2014
研究担当者 高橋浩司
菱沼亜衣
山田哲也
羽鹿牧太
山田直弘
平田香里
小巻克巳
松永亮一
大木信彦
船附秀行
発行年度 2014
要約 「サチユタカA1号」は、近畿中国地域の主力品種「サチユタカ」に難裂莢性を導入した品種で、成熟期・品質などの特性はほぼ同じである。成熟しても裂莢しにくいので、コンバイン収穫の場合に収穫ロスが少なく、実質的に多収となる。
キーワード ダイズ、難裂莢性、サチユタカ、耐倒伏性、DNAマーカー
背景・ねらい 西日本の主要な大豆品種「サチユタカ」は裂莢しやすいため、刈り遅れ時には自然裂莢が多発し、実収量が大幅に低下する。そこで難裂莢性に関与する遺伝子近傍のDNAマーカーと戻し交雑法を用いて、「サチユタカ」に「ハヤヒカリ」がもつ難裂莢性を導入し、自然裂莢や収穫時にコンバインとの接触で発生するヘッドロス等による損失を大幅に低減し、実質的な収量向上を図る。
成果の内容・特徴
  1. 「サチユタカA1号」は、2002年、耐倒伏性が強く高蛋白の「サチユタカ」を母、難裂莢性を持つ「ハヤヒカリ」を父とした交配を行い、その後、難裂莢性遺伝子を有する個体をDNAマーカーで選抜しながら、「サチユタカ」に5回戻し交雑して育成された品種である。
  2. 成熟期や粒大などの生育・品質特性は「サチユタカ」とほぼ同じで、草姿や子実の外見上の区別はほとんどつかない(表1)。また、豆腐加工適性も「サチユタカ」とほぼ同等である(図1)。
  3. 裂莢性は"難"であり(図2)、成熟後の自然裂莢や室内での加熱試験による裂莢は「サチユタカ」に比べて明らかに少ない。
  4. 刈り遅れを想定した圃場試験では、自然裂莢による損失が「サチユタカ」に比べて明らかに少なく、実質的に多収となる(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 栽培適地は関東南部~九州北部地域である。
  2. 兵庫県で「サチユタカ」群として品種銘柄設定されたことから、兵庫県では「サチユタカ」に置き換えて栽培が開始された。当面、平成27年度には10ha、28年度には30haの栽培を計画している。
  3. モザイク病、ラッカセイわい化ウイルス等には「サチユタカ」と同様に弱いので、媒介虫のアブラムシ類等の防除を徹底する。
  4. 莢ははじけにくいが、圃場での長期の放置は品質低下を招くので、可能な限り適期の刈り取りを行う。
図表1 237009-1.jpg
図表2 237009-2.jpg
図表3 237009-3.jpg
図表4 237009-4.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nics/2014/nics14_s05.html
カテゴリ 病害虫 加工適性 収量向上 新品種 大豆 DNAマーカー 品種 防除 らっかせい わい化

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる