LC-MS/MSを用いたトマトのオスモチン様タンパク質Protein NP24の定量法

タイトル LC-MS/MSを用いたトマトのオスモチン様タンパク質Protein NP24の定量法
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所
研究期間 2012~2014
研究担当者 一法師克成
笹沼基恵
大池秀明
小堀真珠子
山本(前田)万里
発行年度 2014
要約 液体クロマトグラフタンデム質量分析装置(LC-MS/MS)と安定同位体標識内部標準ペプチドを用いることで、トマトのオスモチン様タンパク質Protein NP24を定量できる。
キーワード Protein NP24、オスモチン、トマト、LC-MS/MS、安定同位体標識内部標準ペプチド
背景・ねらい 浸透圧ストレス下、タバコ培養細胞内に誘導されるタンパク質であるオスモチンは、アディポネクチン受容体を活性化することから、メタボリックシンドローム抑制効果を期待されている。液体クロマトグラフタンデム質量分析装置(LC-MS/MS)と安定同位体標識内部標準ペプチドを用いて、タバコと同じナス科に属し、消費量の多いトマトのオスモチン様タンパク質Protein NP24(図1、オスモチンのアミノ酸配列との同一性:91%、外皮に多く存在)の定量法を開発する。Protein NP24に対するELISAなどの正確な定量法は、これまで報告されていない。
成果の内容・特徴
  1. 本定量法は、内部標準物質として安定同位体標識ペプチドGQTWVINAPR[13C6,15N4](試薬メーカーへ委託合成)を添加したトマトタンパク質のトリプシン消化物をLC-MS/MSで分析する。Protein NP24のトリプシン消化ペプチドGQTWVINAPR(図1)のピークとGQTWVINAPR[13C6,15N4]のピークとを比較することで、Protein NP24を定量できる。
  2. Protein NP24には、NP24 IとNP24 IIのアイソフォームが存在する(図1)。トリプシン消化ペプチドGQTWVINAPRを生成するアミノ酸配列は、これらの変異部位を含まないので、本定量法は、NP24 IとNP24 IIの合計値を与える。
  3. Protein NP24の定量の手順およびLC-MS/MSの分析条件を図2に示す。
  4. 多重反応モニタリング(MRM)クロマトグラムの保持時間5.6分の位置に、GQTWVINAPRとGQTWVINAPR[13C6,15N4]のピークが観測される(図3)。所要時間15分でfmol/µl濃度レベルでの定量分析が可能である。
  5. 例として、トマト外皮のProtein NP24定量値を表1に示す。日内および日間の変動係数は、13%以下である。
成果の活用面・留意点
  1. トマトおよびトマト加工品のProtein NP24を定量したい研究者等による本成果の活用を想定している。
  2. 定量下限値は、使用するLC-MS/MSの性能に依存する。
  3. ペプチドのLC分離モードとして、C18などの逆相クロマトグラフィーが主に用いられているが、GQTWVINAPRを適切にカラム担体に保持しないため、本定量法では、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)を用いている。
  4. 複数の試薬メーカーが、安定同位体標識ペプチドの受託合成を行っている。
  5. 切断特異性が高い質量分析グレードのトリプシンを使用している。
図表1 237190-1.jpg
図表2 237190-2.jpg
図表3 237190-3.jpg
図表4 237190-4.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nfri/2014/nfri14_s07.html
カテゴリ 加工 たばこ トマト なす モニタリング

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