乳用雌牛の初回授精受胎率の遺伝的能力を正確に評価する方法

タイトル 乳用雌牛の初回授精受胎率の遺伝的能力を正確に評価する方法
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2011~2014
研究担当者 萩谷功一
山崎武志
伊藤文彰
大澤剛史
白井達夫
寺脇良悟
長嶺慶隆
河原孝吉
増田豊
鈴木三義
山口諭
阿部隼人
後藤裕作
発行年度 2014
要約 雌牛の繁殖性の改良指標として初回授精受胎率の遺伝的能力を評価するとき、未経産から2産までの初回授精受胎率の情報に初産305日乳量と空胎日数の情報を加えることで、初回授精受胎率の推定育種価の信頼度を高められる。
キーワード 乳用牛、乳量、初回授精受胎率、遺伝的能力評価
背景・ねらい 乳用牛の初回授精受胎率(以下、受胎率)の改良は、授精費用を低減させる。高い繁殖能力は、計画的な分娩を可能にすることから、効率的な生乳生産のために重要である。しかし、受胎率は低下傾向であり、経産牛の受胎率は1980年台に50%台であったが、2000年以降には40%程度まで低下した。そのため、雌牛の受胎率の遺伝的な改良が望まれているが、国内において遺伝的能力評価値は公表されていない。受胎率の遺伝的能力評価における課題は、遺伝率が低いために評価値の信頼性が低いことである。そこで、全国の牛群検定記録を用い、受胎率の推定育種価の信頼度を高める評価法を提示する。
成果の内容・特徴
  1. 各産次の受胎率間、初産時受胎率と初産305日乳量間、各産次の受胎率と空胎日数(初産-2産間)間には、いずれも高い遺伝相関がある(表1)。
  2. 受胎率遺伝的能力評価において、主要な評価対象である初産受胎率に加え、複数の形質の情報を利用できる多形質モデルを採用する。
  3. 未経産、初産、2産次の受胎率に加え、遺伝相関がある初産305日乳量と空胎日数(初産-2産間)の情報を利用することにより、特に初産受胎率の遺伝的能力評価値の信頼度を高められる(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:乳牛の改良行政、家畜人工授精師
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:本研究結果は、乳用牛評価技術検討会1および家畜改良推進事業に係る後代検定技術検討会2で認められ、2014年2月の国内の遺伝的能力評価より採用されている。

1家畜改良センター主催。参集範囲:農研機構、帯広畜産大学、日本ホルスタイン登録協会
2乳用牛群検定全国協議会主催。参集範囲:農林水産省、農研機構、帯広畜産大学、家畜改良センター、家畜改良事業団、日本ホルスタイン登録協会、北海道酪農検定検査協会、北海道ホルスタイン農協、北海道人工授精師協会、家畜人工授精事業体協議会、ジェネティクス北海道
図表1 237208-1.jpg
図表2 237208-2.jpg
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/harc/2014/14_025.html
カテゴリ 育種 乳牛 繁殖性改善 評価法

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