タイトル |
需要量予測技術等の直売所の切り花向け新技術の活用法 |
担当機関 |
(国)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター |
研究期間 |
2010~2015 |
研究担当者 |
吉田晋一
豊原憲子
山中正仁
仲照史
虎太有里
角川由加
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発行年度 |
2015 |
要約 |
直売所の切り花向けに開発された需要量予測技術や開花調節技術等の新技術の活用法を解説したパンフレットである。活用法は、売り切れや売れ残りなど直売所の切り花の様々な問題に対応し、直売所や生産者の状況にあわせて、12通りから選択できる。
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キーワード |
直売所、切り花、ビジネスモデル、開花調節、需要量予測
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背景・ねらい |
近年、直売所の増加にともない、切り花の販売が伸びている。しかし、需要は盆や彼岸等の物日や来店者の多い休日に集中し、売り切れや売れ残りが生じやすい。そこで、1)「需要量予測」や2)「開花日予測」した上で、3)「蕾期一斉収穫」して、4)水に糖等を加えた「開花液」を吸収させながら、5)「開花室」(小部屋)で、6)その室温を家庭用エアコンで調節することによって「開花調節」する一連の6つの新技術が開発された。これら新技術の活用法を、ビジネスモデルの視点(いつ・誰に・何を・どれだけ・どんな資源や技術を用いて提供するか)を援用してまとめ、パンフレットを作成する。
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成果の内容・特徴 |
- 作成したパンフレットは、需要量予測技術や開花調節技術等の6つの新技術(図1)と、その12通りの活用法、2つの利用事例を紹介・解説している。生産者や直売所の課題に対応して、誰が・いつ・どう新技術を組み合わせて用いるか(表1左)を整理しており、対象品目はユリ、小ギク、トルコギキョウ、ナデシコ、バラである(表1右)。
- 生産者向けの活用法は8つあり、a.常に需要量予測して開花調節し出荷(図1)、b.物日など特定日に開花調節して出荷、c.異常気象等による開花時期のズレを調整して出荷、d.開花調節等により出荷時期を拡大、e.開花室により悪天候を回避、f.一斉収穫により収穫・調製作業を効率化や調整、g.一斉収穫により次作のため早期にほ場を片付け、h.開花日予測して出荷先を検討、である。直売所向けは4つあり、i.蕾で集荷して直売所が開花調節して物日等に商品を確保、j.技術を実演して導入を推奨、k.需要と供給(開花)の両方を予測して出荷要請や販売促進、l.需要のみを予測して出荷量の目標を提示、である。
- 活用法は「需要が物日等に集中」「出荷時期が集中」等の直売所向け切り花の特徴や課題(図2)と、「売上を増やしたい」「楽をしたい」等の改善方向にそれぞれ対応している。活用法a(略称:需給調整)をユリ売上高1千万円の直売所において主要な生産者が導入すると、増益効果は全体で約220万円となると期待される(表2括弧内)。
- 作成したパンフレットでは、各活用法の狙いと概要、主な対象経営、費用や効果の目安、注意点を解説している。また、直売所・生産者の状況や課題(図2)等から活用法を選択するためのチャートや、費用と準備物、最低限の規模と効果の目安(表2)等の一覧表を収録しており、活用法を適切に選択できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 普及対象:普及指導機関、直売所、直売所へ切り花を出荷する生産者。
- 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:全国の対象品目が直売所出荷される地域で、100件以上の利用を見込んでいる(2015年12月末現在、開花日予測など関連するソフトウェアの利用許諾は42件、開花液使用実績は10件以上)。
- その他:本パンフレットは農研機構・経営管理システム(http://fmrp.dc.affrc.go.jp/)、新技術の技術資料は大阪環農水総研(http://www.kannousuiken-osaka.or.jp/nourin/gijutsu/techinfo_kirihana/)のWebサイトからダウンロードできる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/harc/2015/15_015.html
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カテゴリ |
管理システム
経営管理
出荷調整
トルコギキョウ
なでしこ
ばら
ゆり
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