国産ハーブの抗酸化能

タイトル 国産ハーブの抗酸化能
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所
研究期間 2011~2015
研究担当者 若木学
石川(高野)祐子
大池秀明
渡辺純
発行年度 2015
要約 バジルの抗酸化能は、本研究で評価した国産ハーブ8種類の中で収穫時期の影響を最も強く受け、さらに親水性抗酸化能(H-ORAC値)と親油性抗酸化能(L−ORAC値)が負の相関傾向を示す。バジルのH-ORAC値はケルセチン配糖体の量と正に相関する。
キーワード ハーブ、酸素ラジカル吸収能(ORAC: oxygen radical absorbance capacity)、バジル、ケルセチン配糖体
背景・ねらい 生体内において活性酸素種が惹き起こす酸化ストレスは、生活習慣病や老化の促進をもたらすと考えられている。そのため、生体に備わった防御機構に加え、食事由来の抗酸化物質の摂取が健康維持に重要と考えられている。一方、農作物の抗酸化能は収穫時期によって大きく変化することが知られている。そこで本研究では、通年で流通している国産ハーブ8種類を対象にして、親水性抗酸化能(H-ORAC値)、および親油性抗酸化能(L−ORAC値)を用いて収穫時期の異なるハーブの抗酸化能を評価する。またバジルに関しては、H-ORAC値に寄与する抗酸化成分の同定を行う。
成果の内容・特徴
  1. ハーブは抗酸化能が高いとされるが、本研究では、研究室間での分析値のばらつきが一定の範囲内であることが確認された、すなわち妥当性の確認された分析法で国産ハーブ8種類の抗酸化能を100g新鮮重あたりのμmol Trolox当量(μmol TE/100g Fresh weight)として評価している。
  2. 本研究で評価した国産ハーブの抗酸化能については、図1に示すとおりH-ORAC値だけではなくL−ORAC値による寄与も高い。
  3. 本研究で評価した国産ハーブのなかで、バジル(Ocimum basilicum)は最も収穫時期の影響を強く受け(図1)、H-ORAC値とL−ORAC値が負の相関傾向を示す(図2)。
  4. バジルのH-ORAC値は、ケルセチン配糖体であるisoquercitrinとrutinの量と正に相関する(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. 妥当性の確認された分析法で抗酸化能を評価しているため、同じ分析法で評価した他の食品等の抗酸化能と比較することができる。また、本研究の成果は、国産ハーブに関して、高抗酸化能品種の選抜や抗酸化能を高める栽培法の開発に資するデータである。
  2. 本研究の成果は、2012年9月から2013年5月までの1年間に収穫された国産ハーブの抗酸化能データである。農産物の抗酸化能は、収穫時期だけではなく天候や気温の影響も受けやすいため、単年度だけでは不十分であり複数年の調査が必要である。
  3. 本研究で使用した国産ハーブは、すべての収穫時期において栽培品種、栽培日数、およびサイズは統一されているが、バジルおよびルッコラの栽培地域および栽培方法は一部異なっている。
図表1 237783-1.gif
図表2 237783-2.gif
図表3 237783-3.gif
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nfri/2015/nfri15_s08.html
カテゴリ バジル 品種 ルッコラ レタス

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