縞葉枯病抵抗性で糖含量が高い稲発酵粗飼料専用品種「つきすずか」

タイトル 縞葉枯病抵抗性で糖含量が高い稲発酵粗飼料専用品種「つきすずか」
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 西日本農業研究センター
研究期間 2008~2016
研究担当者 中込弘二
出田収
重宗明子
松下景
石井卓朗
春原嘉弘
飯田修一
発行年度 2016
要約 「つきすずか」は、「たちすずか」と同様に牛に消化されやすい茎葉の割合が高く、サイレージ発酵に必要な糖含量が高い。縞葉枯病に抵抗性であるため、稲麦二毛作地帯などの縞葉枯病が発生しやすい地域での稲発酵粗飼料生産に適する。
キーワード イネ、稲発酵粗飼料、WCS、縞葉枯病抵抗性、糖
背景・ねらい 稲発酵粗飼料用品種「たちすずか」は、耐倒伏性に優れ、牛に消化されやすい茎葉の割合が高く、サイレージ発酵に必要な糖の含有率が高いことから、主に関東以西で普及が進んでいる。しかし、縞葉枯病に対して罹病性であり、稲麦二毛作地帯などの縞葉枯病が発生しやすい地域では、箱施与剤による防除を行っても生育後半では発病し減収しやすい。そこで、縞葉枯病に抵抗性で、茎葉収量が高い稲発酵粗飼料専用品種を育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「つきすずか」は、飼料特性が優れる「中国飼198号(後の「たちすずか」)」を母、縞葉枯病に抵抗性である「ホシアオバ」に由来する突然変異体「多収系1066」を父とする交配後代より育成した品種である(表1)。
  2. 出穂期は「たちすずか」並であり、育成地(瀬戸内沿岸部)では"かなり晩"に属する(表1)。出穂特性の感光性程度は「たちすずか」並かやや強く、移植時期の変動による出穂期の変動が小さい(表2)。
  3. 稈長は「たちすずか」並の"極長稈"である。穂長は「たちすずか」より短く、穂数は「たちすずか」並である(表1)。
  4. 縞葉枯病に抵抗性であり(表1)、現地試験においても「たちすずか」より明らかに発病程度は小さい(図1)。いもち病に対しては、真性抵抗性遺伝子"Pib、Pik-m、Pi20"を持つと推定される。葉いもち、穂いもちともに圃場抵抗性程度は不明である。白葉枯病抵抗性は"強"である(表1)。
  5. 黄熟期乾物収量は「たちすずか」並であり、籾重割合は「たちすずか」より少ない2.8%程度である。推定TDN収量は「たちすずか」並であり、黄熟期における稲体の糖含有率は17%程度で、「たちすずか」よりやや高い(表1)。
  6. 晩植と疎植を組み合わせた栽培条件での採種試験における「つきすずか」の採種量は「たちすずか」並で、300kg/10a程度の種子を生産することができる(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:稲発酵粗飼料生産者
  2. 普及予定地域・普及予定面積:縞葉枯病が発生しやすい北関東地域の稲麦二毛作地帯への約600haの普及見込みに加え、「たちすずか」がすでに普及している地域にも普及見込みである。
  3. その他:穂発芽性が"易"であるため、採種においては刈遅れに注意する。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/warc/2016/16_025.html
カテゴリ 病害虫 いもち病 栽培条件 縞葉枯病 飼料用作物 抵抗性 抵抗性遺伝子 二毛作 品種 防除

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