耐倒伏性に優れる早生の飼料用米水稲新品種候補系統「岩手122号」

タイトル 耐倒伏性に優れる早生の飼料用米水稲新品種候補系統「岩手122号」
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター
研究期間 2009~2011
研究担当者 小舘?磨
太田裕貴
藤岡智明
仲條眞介
野々上慈德
小綿寿志
菅原浩視
佐々木力
太田久稔
山口誠之
福嶌陽
梶亮太
中込弘二
発行年度 2016
要約 「岩手122号」は、寒冷地中部では、出穂期、成熟期とも"かなり早"の粳系統である。岩手県で栽培されている飼料用米品種「つぶみのり」に比較して、耐倒伏性が強く、いもち病に強く、安定多収である。
キーワード 飼料用米、早生、耐倒伏性
背景・ねらい 米粉、飼料用米等の普及拡大のために、地域に適した多収稲品種の育成が求められている。東北地域中北部では、多収性に耐冷性、耐病性等を付与する必要があり、品種育成を効率的に進めるために東北農業研究センター、青森県産業技術センター、岩手県の3者で多収稲品種育成の共同研究を行っている。岩手県中北部の現行飼料用米品種「つぶみのり」は、倒伏しやすいことが問題となっており、生産現場から耐倒伏性を強化した早生の飼料用米品種を強く求められてきた。そこで、早生で耐倒伏性に優れる品種を東北農業研究センターと岩手県で共同育成する。
成果の内容・特徴
  1. 「岩手122号」は、東北農業研究センターにおいて2009年に、早生で大粒・多収の「羽系飼1170」を母とし、いもち病抵抗性、耐冷性に優れる「岩手95号」を父として交配が行われ、雑種集団養成、圃場における立毛個体選抜およびいもち病圃場抵抗性遺伝子pi21と連鎖するDNAマーカー(RM1359)を用いた選抜の後、岩手県農業研究センターにおいて系統選抜・固定が行われた粳系統である。
  2. 岩手農業研究センターにおける出穂期、成熟期は「つぶみのり」よりやや早く、出穂期、成熟期とも"かなり早"である(表1)。
  3. 稈長、穂長は「つぶみのり」よりやや短く、穂数は少ない。草型は"穂重型"である(表1)。
  4. 耐倒伏性は"強"で、「つぶみのり」より明らかに少ない(表1)。
  5. いもち病真性抵抗性遺伝子は"Pii"と推定され、葉いもち圃場抵抗性は"かなり強"、穂いもち圃場抵抗性は"かなり強"である(表1)。いもち病圃場抵抗性遺伝子pi21を保有していると推定される。
  6. 障害型耐冷性は"やや強"である(表1)。
  7. 粗玄米重は「つぶみのり」と同等で多収である(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:飼料用米生産者
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:岩手県中北部。「つぶみのり」生産地域 に1,200ha(2020年目標)。2017年2月に岩手県の飼料米奨励品種に採用予定。
  3. その他:本系統は、東北農業研究センター、青森県産業技術センター、岩手県の共同研究「東北地域中北部向け多収稲品種の共同育成」に基づき育成された。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/tarc/2016/16_023.html
カテゴリ いもち病 飼料用米 新品種 水稲 多収性 DNAマーカー 抵抗性 抵抗性遺伝子 品種

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