タイトル |
安定性と再現性が確保されたブドウの品種識別技術マニュアル |
担当機関 |
(国研)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹茶業研究部門 |
研究期間 |
2017~2018 |
研究担当者 |
山本俊哉
谷口郁也
成田知聡
保坂ふみ子
藤井浩
押野秀美
川上司
後藤洋
佐藤明彦
澤村豊
國久美由紀
西谷千佳子
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発行年度 |
2018 |
要約 |
ISO 13495に基づき、試験室内妥当性試験により安定性と再現性が確認されたブドウの品種識別技術マニュアルである。12種類のSSRマーカーによる解析により「シャインマスカット」を含む主要なブドウ24品種の識別が可能で、育成者権の保護に対応できる。
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キーワード |
ブドウ、SSRマーカー、品種識別、DNA、遺伝子型
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背景・ねらい |
わが国で育成された果樹品種の海外流出およびその生産物の海外からの流入は、国内の果樹生産に影響を与え、今後も広がる可能性がある。育成者権や生産者の保護に向けてニホンナシ、オウトウ、リンゴ等の科学的に信頼できる品種識別技術が確立されている。一方、主要果樹の一つであるブドウでは最適化されたマニュアルの公表はなされていない。そこで、ブドウを対象に品種識別に有効なSSRマーカーを用いたDNA品種識別技術マニュアルを作成し、その技術の試験室内妥当性試験により安定性と再現性が確認された信頼度の高い識別方法の開発を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 果樹茶業研究部門で育成され、大きく普及している「シャインマスカット」、国産ワインの製造に使われる「甲州」等を含む、ブドウ24品種(表1)の識別に利用可能で、育成権侵害を含め品種のトラブルに対応できる。
- ブドウ品種「マスカット・オブ・アレキサンドリア」及び「キャンベルアーリー」のRNA-seq配列を基に新たに開発した4~5塩基反復をもつSSRマーカーと、論文で公表されている2塩基反復SSRマーカーの中から、種苗管理センターにおける再現試験の結果を踏まえて、波形が安定している12種類のマーカーを選択し、作成した品種識別技術マニュアルである。
- ブドウの品種識別に利用可能なSSRマーカーは、TsuVv001、TsuVv002、TsuVv003、TsuVv013、TsuVv014、TsuVv016、TsuVv019、TsuVv025、TsuVv030、TsuVv031、TsuVv047、VrZAG83の12種類である。プライマー配列、反復モチーフ、座乗染色体などを表2に示す。プライマーには蛍光標識、また波形を安定させるテイル配列(gtttctt)が付加されている。
- ISO 13495(食品-特異核酸を使用する品種同定法の選択原理及び妥当性確認基準)に基づき、種苗管理センターで実施されたブドウの品種識別マーカーの試験室内妥当性確認により、マーカーの安定性と再現性が評価されている。
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成果の活用面・留意点 |
- 普及対象:種苗管理センター品種保護対策課、品種識別等検査業者
- 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:品種育成者権所有者、農業・食品関連試験研究機関、農業・食品関連行政機関、苗木業者等で想定される品種のトラブルに対応できる。
- その他:開発したブドウの品種識別技術マニュアルの詳細は、種苗管理センター品種保護対策課(Email:hinsyu_gmen@naro.affrc.go.jp)に問い合わせることで入手可能である。SSRマーカーによる遺伝子型判定には、蛍光DNAシーケンサーを用いる変性電気泳動が必要である。また、種苗管理センターで実施する品種類似性試験には12マーカーが使用されているが、識別精度を独自に評価した上で判定に用いることを推奨する。
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/nifts/2018/18_032.html
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カテゴリ |
おうとう
茶
品種
ぶどう
りんご
ワイン
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