タイトル |
農地利用状況の現地踏査に有用なモバイルGISアプリ「iVIMS γ(ガンマ)」 |
担当機関 |
(国研)農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究部門 |
研究期間 |
2015~2018 |
研究担当者 |
芦田敏文
福本昌人
栗田英治
矢挽尚貴
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発行年度 |
2018 |
要約 |
モバイルGISアプリ「iVIMS」をカスタマイズしたもので、航空写真上の農地筆ポリゴンの属性値がプルダウンリストから選択入力できる機能等が追加されている。モバイル端末にインストールして活用すれば、農地利用状況の現地踏査の効率化が図れる。
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キーワード |
利用状況調査、荒廃農地調査、タブレット、航空写真、地番図、農地台帳
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背景・ねらい |
市町村は、国の定めた法令等に基づき、利用状況調査(農地法)や荒廃農地調査(農村振興局長通知)等の農地の利用状況調査を行っている。それらの調査では、一筆毎に農地利用状況の現地確認が行われている。その現地踏査は、モバイルGISアプリ(アプリに航空写真と農地筆GISデータを実装)をインストールしたGPS機能付きモバイル端末を活用すれば、効率的に実施できると考えられるが、その活用事例は多いとはいえない。 そこで、農研機構が開発した既存のモバイルGISアプリ「iVIMS」を、ある市町村の農業委員会が行う利用状況調査の現地踏査に試行的に活用して改善点を把握し、その結果を踏まえて利用状況調査用に「iVIMS」をカスタマイズする。カスタマイズされたものを「iVIMS γ(ガンマ)」と称する。
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成果の内容・特徴 |
- 踏査実施地区の航空写真と農地筆GISデータ(図形情報+属性情報)を実装したiVIMS γは、(1)踏査者の現在位置の特定、(2)農地筆の属性情報の確認と調査結果の記録、(3)農地現況写真の撮影と保存が可能であり(図1)、現地踏査の効率化に寄与する。
- 本アプリは、動作時にデータ通信を行わないため、モバイルデータ通信の電波が届かない場所でも利用でき、データ通信費を負担することなく利用できる。
- iVIMS γには、iVIMSになかった以下の機能が追加されている。
- 「調査モード」にすると、農地現況写真の撮影・保存のほか、調査結果(荒廃区分)を農地筆ポリゴンの属性値としてプルダウンリストから選択入力でき、屋外で調査結果の記録が容易に行える(図2-a)。
- 「複数選択」機能により、同時に複数の農地筆ポリゴンを選択し、調査結果の一括入力や(図2-b)、撮影した農地現況写真との関連づけが一括で行える。
- 「属性値色分け」機能により、現地で入力した属性値に基づいて農地筆ポリゴンを塗り分け、調査結果入力済の農地筆の確認が、アプリ地図上で視覚的に行える(図2-c)。
- 「属性による検索」機能により、属性値による農地筆の検索が可能となり、地番情報からアプリ地図上での該当農地筆の位置を検索することができる(図2-d)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本アプリはiOSが動作するモバイル端末(iPad、iPhone)上で利用できる。現地踏査時に端末の現在位置を特定するためにはGPS機能付き端末(iPadであればWi-Fi+Cellularモデル)上で利用する必要があるが,このときSIMカードは不要である。
- PCから本アプリへの航空写真やGISデータの実装や、本アプリで更新されたGISデータのPCへの回収には、別途Windows用のソフト「VIMS」(有償)が必要である。
- 実装する航空写真は、できるだけ最新のものを入手して利用する必要がある。実装する農地筆GISデータは、地番図の筆界GISデータの属性データに農地台帳データを結合して作成する。この作成は、VIMSで行える。
- 水田活用直接支払交付金の交付対象圃場の作付け確認等、農地利用状況の現地踏査を行う業務に幅広く活用できる。
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/nire/2018/nire18_s06.html
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カテゴリ |
GPS
水田
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