タイトル | ルチン高含有の焙煎ダッタンソバふすま |
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担当機関 | (国)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター |
研究期間 | 2013~2020 |
研究担当者 |
野田高弘 石黒浩二 鈴木達郎 森下敏和 |
発行年度 | 2020 |
要約 | ダッタンソバ粉製造時に生じるふすまには極めて多くのルチンが含まれる。また、焙煎加工時において色彩値を測定することでルチン含量の推定が可能であり、ルチン高含有の焙煎ダッタンソバふすまが得られる。 |
キーワード | ダッタンソバ、ふすま、ルチン、焙煎、色彩値 |
背景・ねらい | ダッタンソバ(Fagopyrum tataricum Gaertn.)は機能性成分であるルチンを子実中に多く含む作物で、ダッタンソバ粉を材料として製造された麺類等の食品がすでに販売されている。ダッタンソバ粉は、子実を粉砕して篩を通った部分に該当するが、その際に篩を通らずに残ったもののうち、ソバ殻等の大きな物を除いた粉状の画分は、ふすま(さな粉)と呼ばれている(図1)。ダッタンソバふすまは、一部では家畜用飼料として利用されているが、大部分は廃棄物として処理されている。 そこで、本研究ではダッタンソバふすま(品種:「満天きらり」)の有効利用を目的として、ふすまの成分特性および殺菌効果のある加工法について明らかにする。 |
成果の内容・特徴 | 1.ダッタンソバふすまは、乾物重100 g当たり5911±222 mg(ダッタンソバ粉の約5倍量)のルチンを含む画期的なルチン高含有食素材である(図1)。 2.ダッタンソバふすまの焙煎加工試験(160~240°C、10~30分)を行った結果、160~230°C、10分及び160°C、20分の焙煎条件下では、ルチン含量が90%以上維持されるとともに(図2)、色彩色差計で測定したL*値、b*値は、焙煎中にルチンが分解されるにしたがって低下し、ルチン含量とL*値、b*値との間に相関性が認められる(図3)。 3.色彩値を測定することで、焙煎中のルチンの減少程度を簡便に推定でき、殺菌処理されたルチン高含有の焙煎ダッタンソバふすまを調製できる。 |
成果の活用面・留意点 | 1.ルチン高含有の焙煎ダッタンソバふすまの製造には特許実施利用許諾(特許第6679126号)が必要である。 2.ダッタンソバ品種「満天きらり」については、以下の情報も参考となる。 3.研究成果情報 良食味のだったんそば新品種候補「芽系T27号」(2011) 4.普及成果情報 ダッタンソバ「満天きらり」の加工時のルチン含量の変動要因(2016) 5.普及成果情報 ルチンを多く含むダッタンソバ「満天きらり」加工品の体脂肪率上昇抑制効果(2016) |
図表1 | ![]() |
研究内容 | https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/harc/2020/harc20_s13.html |
カテゴリ | 加工 機能性成分 新品種 そば 品種 良食味 |