リンゴ斑点落葉病の罹病性原因遺伝子Altを識別できるDNAマーカー

タイトル リンゴ斑点落葉病の罹病性原因遺伝子Altを識別できるDNAマーカー
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 果樹茶業研究部門
研究期間 2015~2020
研究担当者 森谷茂樹
寺上伸吾
岡田和馬
清水拓
足立嘉彦
片寄裕一
藤澤弘子
呉建忠
金森裕之
山本俊哉
阿部和幸
発行年度 2020
要約 リンゴ斑点落葉病の罹病性原因遺伝子Altに特異的な多型を検出できるプライマーを用いたPCRによりAltの有無を判別できる。本手法により、罹病性個体の効率的な淘汰が可能となり、抵抗性品種育成が促進される。
キーワード 病害抵抗性、マーカー選抜、育種、PCR、アガロースゲル電気泳動
背景・ねらい わが国のリンゴ栽培において、リンゴ斑点落葉病は防除を要する最重要病害である。リンゴ品種「デリシャス」とその枝変わりである「スターキングデリシャス」等や、「印度」を祖先品種とするものに罹病性品種が多く認められる。現在のリンゴ育種においても、これらの罹病性品種が交雑親として利用されることが多い。斑点落葉病は、罹病性を引き起こす原因遺伝子Altによって抵抗性/罹病性が制御されており、罹病性が抵抗性に対して優性に遺伝する。すなわち、罹病性品種(Alt/alt)と抵抗性品種(alt/alt)の交雑で得られた後代からは、約半数の個体が罹病性を示す。また、胞子接種による幼苗検定では、菌株や苗の状態などの要因によって結果が安定しないことがある。そこで、罹病性個体を効率的に淘汰するため、定性的にAltの有無を調べられるDNAマーカーを開発する。
成果の内容・特徴 1.Alt候補領域の塩基配列を解読したところ、病害抵抗性遺伝子様の機能が推定されるA8翻訳領域の5'側非翻訳領域に、Altを有する罹病性品種に特有の15bpの欠失と12bpの挿入多型が認められる(図1)。
2.上記の多型は、3種類のプライマーAlt-F、Alt-R、Alt-specificを用いたPCRの増幅産物をアガロースゲル電気泳動することによって、約200bpの増幅産物として検出および判別が可能である(表1、図2、図3)。
成果の活用面・留意点 1.本DNAマーカーは、「デリシャス」および「印度」を祖先に持つ罹病性品種・系統に対して適用可能であり、罹病性の起源が異なる品種・系統(例:「王林」)には適用できない。
2.DNAマーカー選抜時には、PCRおよびアガロースゲル電気泳動の結果、約200bpの増幅産物が検出された個体を淘汰する。
図表1 244610-1.png
研究内容 https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/nifts/2020/nifts20_s01.html
カテゴリ 育種 DNAマーカー 抵抗性 抵抗性品種 病害抵抗性 品種 防除 りんご

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