| タイトル | PCRによる高感度遺伝子検査の精度管理のためのコピー数規定核酸標準物質 |
|---|---|
| 担当機関 | (国)農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門 |
| 研究期間 | 2016~2020 |
| 研究担当者 |
橘田和美 高畠令王奈 岸根雅宏 瀬尾学 川島優大 米川 侑希 布藤聡 大西真理 Riztyan |
| 発行年度 | 2020 |
| 要約 | 遺伝子組換え技術とバイオプリンティング技術を融合させることにより開発された、コピー数規定核酸標準物質である。本標準物質を用いることにより、数コピーレベルという極低濃度領域におけるPCR分析の精度管理が可能となる。 |
| キーワード | 遺伝子検査、PCR、コピー数規定、核酸、標準物質 |
| 背景・ねらい | 遺伝子検査の応用が拡大し、食品、環境あるいは医療の分野でも実施されるようになってきているが、信頼のおける分析のためには精度管理は非常に重要である。特にPCR検査は高感度分析が可能で、条件が整えば1コピーのDNAからでも増幅できると言われているため、低濃度領域における精度管理を行うことが強く求められている。検査精度を確認するためには、検査対象の濃度が明らかになっている標準物質を用いることが推奨されており、低濃度領域における精度管理には、標準物質を希釈して使う方法が一般的である。しかし、DNAが数十コピー以下という濃度領域では、希釈後各反応液に分配されるコピー数に誤差が生じ、特にコピー数が数個レベルの極低濃度領域では、あるべきDNAのコピー数と実際のコピー数との間に大きな差が生じるという問題があった。 そこで、本研究では遺伝子組換え技術とバイオプリンティング技術とを融合させて、全く新しい形の標準物質を開発することにより、極低濃度領域におけるPCR分析の精度管理を可能にする。 |
| 成果の内容・特徴 | 1.DNA1コピーを直接カウントすることは困難であるため、遺伝子組換え技術により酵母細胞の染色体に検出したい標的DNAを導入する。細胞中の標的DNAが1コピーとなるように、細胞周期を同調・停止させる。これにより、「細胞数=標的DNAのコピー数」の関係が成立する。調製した酵母細胞中のDNAを蛍光染色し、規定数ずつ分配後、細胞壁を酵素反応により溶解し、標的DNAをPCR分析に供する(図1)。 2.細胞の分配はバイオプリンティング技術を用いる。すなわち、細胞の懸濁液をインクジェットプリンターのインクに見立て、パルスレーザーを用いて細胞数をカウントし、インクジェット装置により1個単位で制御しながら、規定の細胞数で分配する(図2)。 3.検量線の作成において、従来の段階希釈と比較し、バイオプリンティング技術により分配した標準物質では、数コピーレベルという極低濃度領域に至るまで高い検出率と直線性を示す(図3)。 4.標的DNAのコピー数が規定された標準物質は、高感度PCR分析を行う際に必須となる低濃度領域における精度管理のためのツールとして利用できる。遺伝子検査実施機関での利用にとどまらず、核酸増幅装置メーカーにおける機器の検査、PCR関連試薬開発における条件検討等、幅広い利用が期待される。 |
| 成果の活用面・留意点 | 1.普及対象:核酸増幅装置メーカー、試薬製造会社、遺伝子検査実施機関。 2.普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:全国。 3.その他:本研究の成果物である標準プレートについては、既に関連特許等の実施許諾を行い実用化している。 |
| 図表1 | ![]() |
| 研究内容 | https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/nfri/2020/20_036.html |
| カテゴリ |
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