植物病原微生物の分類・同定支援システム

タイトル 植物病原微生物の分類・同定支援システム
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 遺伝資源センター
研究期間 2016~2020
研究担当者 青木孝之
一木珠樹
埋橋志穂美
鬼頭英樹
佐藤衛
澤田宏之
竹谷勝
月居佳史
永井利郎
前田美紀
山﨑福容
発行年度 2020
要約 農業生物資源ジーンバンクが所蔵する国内産の微生物と、ユーザーの手持ちの微生物の間で遺伝子配列の相同性検索を行い、異同(同種または近縁種等)を推定するシステムである。主として日本産植物病原微生物を効率的に分類・同定する上で有効なツールとなる。
キーワード データベース、植物病原微生物、遺伝子相同性検索、分子系統解析
背景・ねらい DDBJ/EMBL/GenBankのデータベースを用いて塩基配列の相同性検索を行うことにより、微生物を分類・同定することが行われている。ただし、その表示学名はデータ登録者の申請情報に由来するため、同定精度は登録情報の質に左右されるという問題がある。そこで、主に日本国内から収集し、農業生物資源ジーンバンクで保存・品質管理している微生物株の配列情報をデータベース化した上で、ユーザーの手持ちの微生物遺伝子情報との間で相同性検索・分子系統解析が実行できるシステムを構築し、日本産植物病原微生物を分類・同定するための支援ツールとして公開する。
成果の内容・特徴 1.本システムは、農業生物資源ジーンバンクの遺伝資源データベース内に設けられたウェブページ(https://www.gene.affrc.go.jp/?db_hom)が入口となる。検索(図1)には、①[遺伝子領域条件]の検索配列欄に手持ちの微生物の分類同定用バーコード遺伝子のDNA/RNA塩基配列を貼り付け、②[検索実行]ボタンを押すと、③ジーンバンク所蔵の微生物(約30,000株の公開株)のデータへ相同性検索された結果が出力される。
2.ジーンバンクが管理している微生物との近縁度をもとに、手持ちの微生物を分類し同定するだけでなく、必要に応じて、相同性の高いジーンバンク所蔵微生物を入手することができる。
3.ジーンバンクが所蔵する微生物には、「V:分類検証済み、A:推奨菌株、T:タイプ(由来)菌株」等の表示があり、分類・同定の精度を判断できる。
検索に用いた手持ち微生物の近縁度の結果を、系統樹として表示することも可能である(図2)。
4.収録されている代表的なバーコード遺伝子としては、糸状菌ではrDNA ITS、TEF1、HIS3、cox1、細菌では16S rRNA、gyrB、rpoD、egl、ウイルスでは外被タンパク質領域等がある。
成果の活用面・留意点 1.日本産植物病原微生物を中心に整備していることから、基礎研究分野における分類研究だけでなく、公設試験研究機関や植物防疫所等での病害の診断にも活用できる。
2.サツマイモ基腐病の病原体検出技術の開発において、近縁種との識別が可能な特異的プライマーの設計に本システムが活用されている。
図表1 244794-1.png
研究内容 https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/ngrc/2020/ngrc20_s03.html
カテゴリ 遺伝資源 データベース

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