f.土着天敵等を活用した虫害抑制技術の開発

課題名 f.土着天敵等を活用した虫害抑制技術の開発
課題番号 2008010603
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,総合的害虫管理研究チーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,近農研,総合的害虫管理研究チーム
協力分担関係 富士フレーバー(株)
佐賀大学農学部
千葉県農業総合センター
宮崎大学農学部
イスラエル国農業省
神戸大学農学部
森林総合研究所
熊本県農業試験場
広島大学生物圏科学科
兵庫県農業総合センター
研究期間 2006-2010
年度 2008
摘要 1)ハダニに対する土着天敵カブリダニ類の密度抑制効果は、ハダニが防衛のため糸を吐いて造る立体網に対抗できる糸切断能力に依存することを解明し、カブリダニ類の評価法開発を可能とした。2)土着の寄生蜂天敵の制御能力を調べた結果、ワックスレス型のキャベツ品種は普通型品種に比べて寄生性天敵の働きが大きく主要害虫であるコナガに対してほ場抵抗性を示すことを明らかにした。3)土着天敵の利用法の開発に向けて、有機栽培と慣行栽培の水田で発生する無脊椎動物の密度を調査し、有機栽培ではクモ類とその餌となるユスリカ類の発生が多く、米ぬかの散布がクモ類の密度を高める上で効果的であることを明らかにした。4)土着天敵の利用法の開発に向けて、ほ場への定着性にすぐれた天敵として作出した、飛翔能力を欠く複数のナミテントウムシ系統間のハイブリッドは生存率と産卵能力が高く、アブラムシを低密度に抑制できることを明らかにした。5)昆虫病原性ウイルスの研究において、ヨトウガ核多角体病ウイルスに顆粒病ウイルス由来たんぱく質を添加することで、化学物質を用いなくてもアブラナ科野菜のチョウ目害虫3種に対する感染力を30~70倍に高められることを実証した。6)土着昆虫病原線虫の研究において、ヨトウガ類に寄生する昆虫寄生性線虫2種の感染に好適な温度が異なることをほ場試験で明らかにし、2種の混合接種によって安定した防除効果が得られる可能性を示した。7)昆虫の体内共生微生物の利用技術の研究において、有用天敵であるタマゴバチの単為生殖化系統を作出するため、雌化バクテリアのマイクロインジェクション法、水平感染、同一寄主への過寄生による移植を試み、これらの方法では移植はできても単為生殖系統は作出できないことを明らかにした。8)根圏有用微生物の賦活化の研究において、非病原性フザリウム菌(F13)の株元土壌混和処理によってトマトに対するネコブセンチュウ害を低減するためには、トマト定植2日後の処理が最適であることを実証した。9)土着天敵微生物の利用法の開発に向けて、難防除害虫であるダイズシストセンチュウに対する卵寄生性糸状菌の接種効果は、高温、水分含量の多い土壌、有機物多施用の条件下で高く、対抗植物であるクロタラリア栽培土を滅菌処理して施用するとさらに高まることを明らかにした。10) 昆虫情報化学物質の研究において、大豆害虫ホソへリカメムシの雄成虫が保持するフェロモンの量と成分構成を個体別に測定し、誘引される雄はフェロモン成分のうち主成分をもたず協力成分のみを保持すること、生殖休眠中の雄成虫はフェロモン成分を保持しないことを明らかにした。11) 害虫発生予測手法の研究において、技術向上の鍵である害虫の飛翔可能距離を、フライトミルとスピードガンを組み合わせて高精度で測定する技術を開発した。
カテゴリ 有機栽培 あぶらな 害虫 カメムシ キャベツ 栽培技術 水田 抵抗性 土着天敵 トマト 評価法 品種 フェロモン 防除

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