| 課題名 | b.大豆の湿害耐性等重要形質の改良のための生理の解明 |
|---|---|
| 課題番号 | 2008010624 |
| 研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
| 研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,作物研,大豆生理研究チーム (独)農業・食品産業技術総合研究機構,東北研,大豆生理研究東北サブチーム |
| 協力分担関係 |
農業生物資源研究所 理化学研究所 北海道大学 東京大学 京都府立大学 首都大学東京 大阪府立大学 福井県立大学 岡山県生物科学総合研究所 兵庫県立農林水産技術総合センター |
| 研究期間 | 2006-2010 |
| 年度 | 2008 |
| 摘要 | 1)大豆出芽時の湿害発生機構を解明するために、大豆出芽期の湿害についてトランスクリプトーム技術およびメタボローム技術で解析した結果、冠水処理初期でエチレン合成、解糖、嫌気代謝系が顕著に変動していた。耐湿性関連候補たんぱく質であるアルコール脱水素酵素(Adh)およびアスコルビン酸ペルオキシダーゼ(Apx)は、翻訳レベルと転写レベルで増加および減少に関して同様の傾向を示し、特にAdhは根端部で増加した。さらにAdhおよびApx遺伝子を大豆に導入し、再生個体を得た。発芽時の生育を指標とした耐湿性には品種間変異があり、「ミスズダイズ」および「サチユカタ」は耐性が強く、「タマホマレ」および「ナカセンナリ」は耐性が弱かった。2)大豆生育初期の湿害発生機構を解明するために、通気組織の酸素供給機構を解析した結果、通気組織を通じて酸素が根系に供給されること、通気組織のガス拡散性は品種間変異が小さいこと、アブシジン酸濃度が低下して通気組織形成が進むことを明らかにした。通気組織で顕著に変動するたんぱく質群を検出し、大豆と耐湿性が強い豆科植物であるセスバニアで通気組織形成時に変動するたんぱく質群を比較した。生体防御機構を解析するために、人工気象室で大豆をシードバック栽培する方法と茎疫病菌の遊走子を簡便に調整する方法、および初期の茎疫病を観察するための接種実験系を確立した。この実験系により、「エンレイ」に対して茎疫病菌が感染できる場所は根端に限られることを確認した。3)DNAマーカーを用いて耐湿性の遺伝様式を解明するため、関東地方の基幹品種「タチナガハ」に野生大豆の染色体の一部を導入して作出した系統「19-1-3-4」は、やや高い耐湿性指数(0.29)を示すとともに、子実重が「タチナガハ」並みであることを明らかにした。また、難裂皮性の遺伝様式を解明するため、19年度に見出した難裂皮性を支配する2個のQTLについて、年次・世代間における再現性を引き続き確認した。4)子実たんぱく質を制御する機構を解明するために、稲と大豆種子の一次代謝成分を包括的に分析した結果、尿素回路に関わる代謝産物が稲より大豆で高く、尿素回路がたんぱく質合成におけるアミノ酸の供給源となることを明らかにした。5)大豆わい化病抵抗性付与技術を開発するために、大豆わい化ウイルス(SbDV)のセンスORFIとORFIIについて系統を作出した。既存の大豆モザイクウイルス(SMV)弱毒ウイルス株のゲノムRNAの遺伝子構造を比較した結果、HC-Proたんぱく質の1カ所の変異が弱毒化に関与することを推定した。SMVの感染性クローンにこの変異を人為的に導入し、大豆に接種することにより、HC-Proたんぱく質の変異が弱毒化に関与することを明らかにした。 |
| カテゴリ | 湿害 耐湿性 大豆 DNAマーカー 抵抗性 品種 わい化 |