課題名 | b.草地生態系の持つ多面的機能の解明 |
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課題番号 | 2008010695 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,畜草研,草地多面的機能研究チーム |
協力分担関係 |
茨城大学 国立環境研究所 京都大学大学院 高知大学大学院 茨城大学 東京大学 北大大学院 山形大学 群馬県畜産試験場 農業環境技術研究所 |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2008 |
摘要 | 1)草地の管理・利用形態や自然立地条件が生物種の動態、相互作用、多様性に与える影響を解明するため、植物と菌根菌の相互作用の解明に向けて、ミヤコグサの菌根共生特異的変異株を約10株分離し、そのうち1株について遺伝子地図上の位置を明らかにしたところ、新規の菌根共生変異体である可能性が強く示唆された。また、我が国の半自然草地では地域にかかわらず共通の菌根菌の種が優占することを明らかにした。草地における菌根菌のリン供給機能を解析する上で鍵となるポリリン酸の定量法の特性を解明し、ポリリン酸鎖長の指標として活用できることを示した。2)半自然草地の管理法が植生の遷移の方向や多様性に与える影響について解析するために、草地の種々の生理生態情報を空間的に得られる手法を開発した。草地の適正な利用と維持を目的として、無作為に調査順序を変更させる種数面積曲線の利用とそれを用いた多様性評価指標のモデルを開発した。半自然草地の植生データを調査・収集し、植生遷移モデルの前処理および類型別遷移を解析するためのプログラムを作成した。ススキ-シバ遷移草地の調査データをもとに、管理に伴う遷移確率を示し、植生遷移と管理の関係を検討した。気候や地域的な違いも入れて全国21カ所の半自然草地および改良草地の植生データで主成分分析を行い、全国の草地の出現植生が半自然草地と人工草地で明確に区分できること、第一軸の主要成分が寒地型牧草種、第二軸の主要成分がシバ種であることを明らかにした。3)草地からの水や土壌の流出並びに温室効果ガスの収支に対する植生の影響を明らかにするため、斜面下部に設置した草生帯の土壌・養分流出防止効果を確認するとともに、草地更新時に排出される亜酸化窒素排出量および排出を左右する条件を明らかにした。 |
カテゴリ | 寒地 |