d.大麦・はだか麦の需要拡大のための用途別加工適性に優れた品種の育成と有用系統の開発

課題名 d.大麦・はだか麦の需要拡大のための用途別加工適性に優れた品種の育成と有用系統の開発
課題番号 2009013919
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,近農研,大麦・はだか麦研究チーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,作物研,大麦研究関東サブチーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,大麦研究北陸サブチーム
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,九州研,大麦・はだか麦研究チーム
協力分担関係 栃木農試
長野農試
福岡農総試
(株)大麦工房ロア
大妻女子大学
(株)ADEKA
研究期間 2006-2010
年度 2009
摘要 1)極低ポリフェノール含量となる遺伝子ant28-494を持ち、炊飯後に褐変しにくく、糯性(低アミロース)で食感を改良し、大麦縞萎縮病抵抗性を有する二条はだか麦「キラリモチ(四国裸糯119号)」を品種登録出願した。大麦縞萎縮病・うどんこ病抵抗性の、極低ポリフェノール六条皮麦「はるしらね(関東皮88号)」と高β-グルカン含量二条はだか麦「ビューファイバー(関東裸91号)」を品種登録出願した。2)大麦縞萎縮病抵抗性で多収、かつ破砕でん粉粒変異遺伝子fra遺伝子を持つ完全粉状質系統「関東皮92号」、及び極低ポリフェノールで多収の二条はだか麦系統「四国裸123号」を開発した。3)寒冷地に適する極低ポリフェノール系統を育成するため、現地ほ場試験により、ant遺伝子を導入したF5系統から16系統を選抜した。また、早生の高品質系統として「盛系d-B024」など3系統を開発した。4)主要な大麦日本品種について、うどんこ病抵抗性に関わるMla及びMlo遺伝子の変異を明らかにし、抵抗性選抜に有用なDNAマーカーを作成した。縞萎縮病III型ウイルスにも抵抗性を示すrym5座の新規抵抗性遺伝子を持つ「横綱」、「TN2」に固有の一塩基置換を見出し、CAPSマーカー化した。育成系統の中で閉花性の系統について、既存品種の閉花性遺伝子との塩基配列との対応づけを行った。5)雲形病抵抗性の簡易評価法として、事前にセルトレイで養成した供試個体を本病害が発生している現地ほ場に設置し、登熟中期に発病程度を調査する手法を開発した。本手法により優占レースJ-4aの抵抗性を評価し、新たに3品種と北陸皮42号を原系統とした7つの突然変異系統が抵抗性であることを明らかにした。6)短日遅延型早生系統は、栽培期間の日長条件の影響をほとんど受けず、加温による出穂の早進化が生じにくいことを明らかにした。「東山皮96号」と「関東二条32号」の交配系統と「東山皮101号」の交配により育成した多収の系統適応性検定試験供試系統について、出穂関連遺伝子型を明らかにするとともに、DNAマーカーを用いて、安定早生化に有効な出穂関連遺伝子型を有する系統を選抜した。7)20年度に開発したにおい識別装置を用いる炊飯麦臭評価法を用い、搗精歩合による炊飯麦臭の変動は、品種による違いに比べて小さいことを確認するとともに、GC-MSにより炊飯香気に含まれる複数の悪臭アルデヒド成分の濃度に品種間差があることを見出した。8)胚乳形質に関わる遺伝子lys5hとwaxまたはfra遺伝子について、準同質遺伝子系統を用い、β-グルカンとアラビノキシラン含量はこれらの相乗効果により高くなることを明らかにした。9)大麦のスターチシンターゼHvSSIは、遊離のマルトオリゴ糖(DP3以上)に作用させるとグルコースを転移し、α-グルカンを伸長させるが、アミロペクチンのホスホリラーゼリミットデキストリンに作用させた場合は、分岐グルカン鎖の伸長は14量体程度にとどまることを明らかにした。
カテゴリ 萎縮病 うどんこ病 大麦 加工適性 需要拡大 DNAマーカー 抵抗性 抵抗性遺伝子 はだか麦 評価法 品種

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